「仮想通貨よ、さらば」…ある億り人・インフルエンサーの全告白

ビットコインバブルとはなんだったのか
高城 泰 プロフィール

「仮想通貨病」の診断

インフルエンサーとしての注目度が高まるほどに増えていく感情的なリプライや、乱高下する仮想通貨の値動きはマナ氏の体を蝕んでいった。

「医者に言われたんです、『仮想通貨病ですね』と。全身に蕁麻疹が出て、救急外来へ言ったことも1度や2度ではありません。病んでいましたね」

歴史上稀なバブル相場となり、ビットコイン価格が100万円に迫ろうとしていたころだ。市場は100万円到達の瞬間を今か今かと待ち構えている中、マナ氏は正体不明の病魔と戦っていた。

「検査すると白血球の数値が異常に高まっていました。cisさん(投資で230億円の資産を築いた有名投資家)も同じように白血球が異常に増えた時期があったそうです。相場に熱中しすぎると白血球に現れるのかもしれないですね」

〔photo〕iStock

相場のストレスが白血球に異常をもたらすのかもしれない。マナ氏を襲った仮想通貨病は日常生活にも影響を及ぼしていた。

「短期記憶にも障害が出始めていました。さっき言ったばかりのことを忘れてしまうんです。平静を装うようにはしていましたが、おかしいなと」

医師が下した仮想通貨病への処方箋はシンプルだ。

「医師からは、仮想通貨に追われる生活をやめろと。早寝早起きを心がけて、仮想通貨から少し距離を置くようにした結果、救急外来へ行くほどの症状は出なくなりました。ある本にこう書いてあったんです、『相場の利益は我慢代だ』と。その通りだなと納得しました」

 

ブログには4億円の値がついた

仮想通貨インフルエンサーには、投資以外にも収益チャンスがあった。取引所への口座開設アフィリエイトや仮想通貨サイトの売却だ。

「僕は売りませんでした。一時、ブログに4億円の値がついたこともありましたが……。他の有力ブロガーさんも億の大台に乗っていたと思います」

バブルはサイト売買市場でも起きていた。アカウントやブログを高値で売却し、「中の人」が変わった目ざといインフルエンサーもいた。しかし、その誠実さゆえかマナ氏は仮想通貨サイト売買バブルの波には乗れなかった。