〔photo〕iStock

「仮想通貨よ、さらば」…ある億り人・インフルエンサーの全告白

ビットコインバブルとはなんだったのか

2ヵ月で億り人となった

2017年12月、230万円まで暴騰したビットコインは1年も経たずに40万円割れまで下落した。高値からの下落率は80%を超える。バブル崩壊は誰の目にも明らかだろう。

ビットコインバブルは何を残したのか――。

あるインフルエンサーは昨年12月、仮想通貨投資への決別を宣言した。

「2018年12月、1ビットコイン(BTC)だけを残して、仮想通貨はすべて処分しました」

自らのブログにこう綴ったのは、仮想通貨インフルエンサーのマナ氏だ。マナ氏が最初に脚光を浴びたのは仮想通貨バブルが本格化した2017年5月。2か月前に始めたばかりの仮想通貨投資で瞬く間に「億り人」となったのだ。

「元手は1000万円。投資経験はそれまでありませんでした。仮想通貨は簡単そうだなっていう印象でしたが、買ってみたら本当に簡単に資産が増えた。異常だなとは思いましたが、終わってみないとバブルだとはわからないのがバブルなんですね」

投資素人が2か月で億り人――明快なキャッチフレーズにブログなどでのわかりやすい解説も相まって、マナ氏は仮想通貨バブルの象徴的存在へと駆け上がった。

「1億円の資産に達したとはいえ評価額。ビットコインの分裂騒動で急落した際には4000万円台まで急減、騒動が落ち着くと再び1億円へと乱高下しました」

 

バブルの渦中でインフルエンサーへと駆け上がる

仮想通貨が知れ渡り新規参入者が増えると、皆が最初に頼ったのはマナ氏だった。その相場分析や次に購入する仮想通貨銘柄を知りたがり、ツイッターのフォロワーは7万人を超え、ブログのアクセスも急増した。

「ところが読者やフォロワーが増えるたびに変なコメントも入るようになってきた。ある仮想通貨について、『これだけ暴騰しているのだから、上値を追いかけて買わないほうがいい』と発言したら、その通貨の信者から罵倒の嵐が飛んできたことがあります」

仮想通貨コミュニティ、とりわけビットコイン以外の「アルトコイン」のコミュニティでは熱狂的な信者が存在するコインがある。アイドルグループの「推しメン」さながらの「推しコイン」だ。

熱狂的信者がいるコインの将来性や値動きについて、ネガティブな意見を発信しようものなら、即座に猛烈な反論が飛んでくる。株式市場でも一部の銘柄で感情的な議論は見られるが、仮想通貨市場ではそれが度を越えていた。

「金が絡むと人間は怖いなって、欲深さの力を感じました。自分は強い人間ではないし、そうしたリプライを完全にスルーすることはできませんでした」