無人レジ戦争「セルフレジから無人レジのハードルは意外と高かった」

アマゾン・ゴーのライバルも日本上陸
松崎 隆司 プロフィール

さらにSCには、強力なパートナーも現れた。日販品卸では日本最大の規模のパルタックだ。売上高では9666億円、取引小売業者は800社を超える。コンビニやドラックストアに強い卸として知られ、SCとはドラックストアへのシステム導入では独占的な契約を結んでいる。

SCは9月からサンフランシスコ市内に直営店第一号の「スタンダード・ストア」(店舗面積約177㎡)をオープンし、コンビニエンスストア規模での実証実験をスタート。さらに19年中旬までにはパルタックに紹介された薬王堂(岩手県、239店舗)の仙台泉館店(同約990㎡)で郊外型店舗の実証実験を始める。

 

SCのサスワル氏は、20年までの東京五輪までには3000店に導入したいとその意気込みを語る。

セルフレジはすでに実用化が進んでいるが、RFIDタグやAIカメラを使った無人レジの実用化はまだまだ課題が大きい。ローソンのFIRDタグは一つ一つ商品に店員が張らなければならず、人件費がかさむことは前述のとおりだ。これをメーカーがやれば商品のコスト高につながるだけでなく、RFIDタグひとつ10円程度かかる。10円チョコレートのような低価格の商品ではコストが吸収できない。高温にも弱いためにおでんや肉まんなどにも張れない。

一方でAIカメラを使った無人レジは顧客の購買行動をチェックするカメラと商品の在庫をチェックするバックヤードのカメラを設置しなければならず、コンビニの一般的な店舗の広さでも100台以上のカメラを必要とするからかなりのコストがかかる。しかもカメラの死角が生まれ、万引きなどに利用される恐れもある。

AIカメラを使った無人レジで先行しているアマゾン・ゴーとの提携に日本のコンビニも二の足を踏んでいるのも、そんな状況があるからだ。

低コストで無人レジ化を進めることができるという触れ込みで日本市場を狙うSCも、日本での実証実験がまだ行われていないことから本当の実力はまだわからない。

しかしいずれにせよ、日本の流通産業は深刻な人手不足に陥り、外国人労働者なしには現状の店舗すら維持できない状況だ。そのような中で無人レジの実用化は急務。1、2年のうちには各社とも問題点を解決し、実用化に踏み切るつもりでいる。

はたして、2年後の無人レジの業界地図はどうなっているのか。注目していきたい。