無人レジ戦争「セルフレジから無人レジのハードルは意外と高かった」

アマゾン・ゴーのライバルも日本上陸
松崎 隆司 プロフィール

RFID(無線タグ)を利用する新システム登場

ユニクロを運営するファーストリテイリングも、系列のカジュアル衣料品店「GU」でセルフレジを始めている。

「GUの店舗のセルフレジを導入すると発表したのは一昨年です。2017年4月から設置を開始し、すでに195店舗(全体で388店舗)に、導入しています。かごをレジに持っていき、それをお客様が指定の場所に置くと、かごの中の商品のICタグを読み取るという仕組みです(2018年12月末現在)」(GU広報担当者)

一方のファーストリテイリングは、どうだろう。

1年前からトライアルとしてスタートしました。目的はレジの混雑緩和ですが、GUと同じシステムではありませんし、今後このシステムを継続して使用するかどうかもわかりません。ただ効果があるとなれば、今後は広めていくことになると思います」(ファーストリテイリング広報担当者)

 

セルフレジの取り組みはセブンイレブン、イオンやファーストリテイリングだけではない。多くの企業で検討や開発が始まっている。

「とにかく現場の人で不足は深刻。時給を上げたりして採用を増やすように努力しているがなかなか集まらないし、外国人留学生や退職した高齢者などの採用にも力を入れているが、全く足らない状態。それでも大手はまだいいが、中小零細企業は人手不足で店が回らず、店舗を閉めたり、大手の傘下にはっているところも少なくない」(大手コンビニの幹部)

そうした中で、大きな注目を集めているのがRFID<無線タグ、小さなワンチップのIC(集積回路)を使うのがICタグ>やAIを活用した無人レジだ。

大手コンビニのローソンは、経済産業省が流通業界の見える化を推進していくために開発を進めているRFIDタグを使った無人レジ「レジロボ」の開発に2017年から着手。一昨年の2月には、大阪の店舗で実証実験を行った。

18年10月にはIT・電子技術の展示会「CEATECジャパン2018」では、最新型のシステムを展示、来場者の注目を集めた。

ローソンの[レジロボ」

「レジ打ちや金銭授受をせずに会計できる『ウォークスルー決済』を実現したもので、お客様の携帯にアプリをダウンロードし、QRコードをウォークスルー決済のゲートにかざすと、読み取ってもらえる。商品をRFIDタグ読み取り専用レーンに通すと決算が完了するという仕組みです。レーンの通過中に決済が終了し、QRコードに紐づけられたアカウントにつながり、クレジットカードなどでの決済が自動的にできるという仕組みです。RFIDタグは一企業というより、国を挙げて取り組んでいるプロジェクト。いずれはデフアクトスタンダードなる」(ローソン幹部)

しかし、RFIDタグはまだコスト高で単価の安い商品などにつけることが難しいことや、店員がいちいち商品に貼るということになれば、そのマンパワーも馬鹿にできない。

経済産業省では、「2025年を目標に実用化を進めている」(担当者)というからまだまだ実用化には時間がかかりそうだ。

RFIDタグを活用しない無人レジの開発も、進んでいる。JR東日本はSUICAをはじめとした交通系のICカードを活用した無人レジを開発し、17年10月17日から12月14日までJR赤羽駅の店舗で実証実験を行った。

この実験でシステムを提供しているのが、サインポスト(東京・中央区)だ。07年3月に設立されたベンチャー企業で、2017年11月に東証マザーズに上場した。

サインポストとJR東日本が出会うきっかけとなったのが、2017年4月からJR東日本が募集を始めたJR東日本スタートアッププログラム。

ここのすでに実用化しやすい企業を対象にした「アクセラレーションプログラム」の最終選考に残り実証実験の対象となった11社の一つに残ったのが、サインポストだった。そして、17年10月に大宮駅で実証実験を行った。

「大宮では、コンコースのイベントスペースと使い実験を行いました。実験は、一週間程度。ここでいろいろな課題が明らかになりました」(JR東日本スタートアップ広報担当者)