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「LGBTばかりでは国はつぶれる」…政治家の差別発言を乗り越えて

今年押さえておきたい「3つの動き」

新年早々、政治家による差別的な発言に落胆することになった。

自民党の平沢勝栄議員が、1月3日の集会で「この人たち(LGBT)ばっかりになったら国はつぶれちゃうんですよ」と発言。

同議員はハフポスト日本版の取材に対して「同性婚は憲法で保障されている」と釈明しており、同性婚に関して積極的な議論をすべきという姿勢を表明したことには驚いた。

しかし、同性婚は少子化には繋がらず、LGBTが増えるということもない。明らかに事実に基づかず、憶測で発言してしまうことに対しては疑問を抱かざるを得ない。

 

政治家の差別的な発言

ここ数年、政治家によるLGBTに関する不適切な発言は後を絶たない。

例えば、2015年以降、目立ったものでは以下のような発言があった。

・海老名市・鶴指眞澄議員「同性愛は異常動物」(2015年11月)
・柴山昌彦議員「同性婚は少子化に拍車がかかる」(2015年3月)
・新潟・西川重則議員「おかまに支援いらぬ」「正常な形でない」(2016年3月)
・竹下亘議員、宮中晩餐会への同性パートナーの参加は「日本の伝統に合わない」(2017年11月)
・杉田水脈議員「LGBTは生産性がない」(2018年7月)
・谷川とむ議員「同性愛は趣味みたいなもの」(2018年8月)

特に2018年は、杉田水脈議員による『新潮45』への差別的な寄稿文を発端に、同誌が休刊となるなど、大きな騒動に発展した。筆者もこの騒動に対して現代ビジネスに寄稿した(「この国から『LGBTへの差別』をなくすために必要な2つのこと」)。

こうした発言が報道されるようになった背景には、LGBTに関する世の中の認識の変化があることは言うまでもないだろう。

2015年に施行された渋谷区、世田谷区の同性パートナーシップ制度。昨年は福岡県福岡市、大阪府大阪市、東京都中野区、今年に入って既に群馬県邑楽郡大泉町で導入され、現在10の自治体に広がっている。

今年1月10日に電通が発表した調査では(回答が20歳〜59歳と限られているが)、LGBTについての認知度は約7割で、2012年の約4割から大きく向上している。約8割が同性婚に賛成、昨年10月には、東京都が「LGBTへの差別禁止」を明記した条例を施行しているが、これについても8割以上が賛成している。

行政だけでなく、企業など民間レベルの取り組みも広がっている。

2018年は、NHK「女子的生活」や「半分、青い」、テレビ朝日「おっさんずラブ」をはじめ、LGBTのキャラクターが登場するドラマ、映画の増加など、さまざまな領域で変化が加速している。

政治家の発言は、こうした世の中の変化に対して肯定的に受け取り、社会の仕組みを整えていく姿勢があるか、それとも「こうあるべき」という同質的な社会像を押し付けるために、多様性を排除する姿勢なのかを映す鏡になっているのではないか。

2019年はどのような年になるだろう。特に政治や法制度の領域について、「選挙」「同性婚訴訟」「LGBTへの差別をなくすための法律」の3つを軸に、LGBTをめぐる2019年の動きを予測したい。