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# マネジメント

経営にはなぜ「アート・サイエンス・クラフト」の3つが必要なのか

組織が「戦略不全」になっていませんか

「経営には、アート・サイエンス・クラフトの3つが、必要だ」

とは、最近になりよく言われるようになりました。

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いわく、アート(芸術)は事業を作る上での「直感や感覚など、クリエイティブな部分」を担い、サイエンス(科学)は「経営を科学し、改善するため」に必要だと言います。

そして、クラフト(工芸)は「物を作る」という、事業の本質的な部分を指す。こういう構造になるようです。

私は、初めてこの言葉を聞いたとき、まず直感的に「正しい」と感じました。これまで、私は、1兆円グループの経営企画、世界最大の外資系戦略コンサル、売上数億規模のベンチャーのCSO(最高戦略責任者)を経験してきました。その経験からも、この「経営とは、アートとサイエンスとクラフトである」は、正しいように感じました。

ですが、同時に感じました。

「なぜだろう?」と。

つまり、アート・サイエンス・クラフトは、それぞれ「経営において、どういう働きをするのだろうか?」と感じたのです。皆さんは、この質問に対して、どう答えるでしょうか?

 

アートは「理想」、サイエンスは「現状認識」に影響

以前、『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」』の著者、山口周氏と対談したときに、こういう話で盛り上がりました。それはビジネスで「問いを立てること」が重要なのはわかるが、「その問いはどこから生まれるのか」というそもそも論でした。

前回の記事(『一流は「問い」、二流は「環境と育成」、三流は「採用」が全て』)で言ったように、ビジネスにおいて「良質な問い」を立てることは、極めて重要です。ですが、問題は「その問いをどうやって立てるのか?」ということです。

今の私はこう解釈しています。

・問いは「理想」と「現実」のギャップから生まれる
・そうなると「その人ならではの理想をもつこと」と、正しい「現実認識」の二つが必要
・そして、哲学や美学などアートは「理想」に影響し、サイエンスは「現実認識」に影響を与える

言い換えれば、良質な問いを作り続けるためには「アート」だけではダメ。サイエンスもあってこそだと考えます。

では、もしも、組織を正しい方向に導くために、アートとサイエンスの力を使って「良質な問い」を立てたとしましょう。問題はその「問い」をどうやって解くか?です。私はそれこそが「クラフト」の力ではないかと思うのです。