社会に出てから医学部に入る「再受験生」が増えているワケ

こんな人生の選択もあるんです
原田 広幸 プロフィール

医学部の入学者の内訳は、出身地、男女比、現浪比(高校3年生と1年以上の浪人生の比率)など、各大学のデータ公開程度がまちまちである。加えて、計算方法等が明かされていないことも多く、厳密な比較は難しい。

ただ、現在公表されているデータからは、受験生、合格者・入学者の高年齢化が進んでいることははっきりとわかる。医系専門予備校の「メディカル ラボ」が毎年発行している『全国医学部・最新受験情報』によると、2018年入試においては、以下のような結果であった。

なお、国公立医学部のデータも、いくつか入手可能だが、私立大学と同じようなバラツキであると思っていただいてよいだろう。

2018年度入試 私立医学部 合格者・入学者の現役・浪人等内訳
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上記の表を見てわかるように、なぜか現役合格者が7割近い慶應義塾大学(2浪以上はわずか5%)など数大学を除いて、合格者あるいは入学者のボリュームゾーンは、1浪~2浪にかけてであり、大学によっては、3浪以上・その他の数字が一番多い大学もいくつか存在する。

これは、「女子差別」のほか、「多浪生差別」「高年齢受験生差別」が、多くの大学で実施されていた事実、あるいは実施されていた可能性が高いことが判明する「以前」のデータだと考えると、驚くべき数字ではないか。

3浪・その他の約17%のうち、半数以上が、他の大学や専門学校への入学、就職等を経験していると推察される。

なお、この数字がどれだけ普通でないかは、一般の大学入学者の属性を調べるとわかる。

文部科学省が、全国の大学・学校を対象に実施している「学校基本調査」には、年齢別の大学入学者数が出ている。

最新のデータである「平成30年度版」によれば、大学入学者の総数のうち、18歳(現役)が77.8%、19歳(1浪)が16.9%、20歳(2浪)が2.8%、21歳(3浪)となると、0.9%で、100人に1人にも満たない。大学進学者全体では、現役進学者が8割近くを占めており、医学部に比べて浪人・高年齢入学者が圧倒的に少ないのだ。

<http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa01/kihon/1267995.htm>