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社会に出てから医学部に入る「再受験生」が増えているワケ

こんな人生の選択もあるんです

かなりの狭き門だが…

「再受験生」という言葉を聞いたことがあるだろうか。

昨今、医学部の再受験生が、増えているという。

大学や専門学校を卒業し、その後社会に出てから、一旦入学・卒業した学部とは異なる学部学科を目指して再び受験勉強を始める「再受験生」は、昔からわずかながら存在した。

その多くは、特定の学部で勉強しなければ国家試験に受かることが難しい、裁判官や弁護士、公認会計士、医師(受験資格として医学部の卒業が必要)などの専門職に就きたい人たちだ。

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一般的に大学入学後に進路を変えたい人は、大学卒業(学士)を要件とする「学士編入試験」や、1、2年次の教養課程や一定の科目の単位取得を要件とする「一般編入試験」を通じて3年次から入学することを目指す人が多い。この「編入ルート」で大学に入り直すと、再受験よりも短い期間で、2回目の大学生活を終えられる。

医学部にも、学士編入や一般編入のルートは存在する。しかし、医学部の編入ルートは、かなりの「狭き門」だ。

 

かつては医学部でも、編入試験で別分野の学生や社会人経験者を受け入れることは、「多様な経験をもつ医師を養成する」という理念のもと、少人数ではあるが、今よりは積極的に実施されていた。

とはいっても、もともと医学部の編入枠は、化学や薬学、生物学などの医学隣接分野の修士号・博士号取得者など、理系エリートを受け入れる傾向が強かった。その傾向に拍車がかかっている。

なぜなら近年は、医学部を卒業するまでに国際的な医療水準を目指すことが要請されるようになり、臨床実習などでカリキュラムが過密になってきたため、社会人経験者といえども、理科系の素養が少ない人を、短期間で養成することは、実際上困難になった。

こうして、「多様な経験をもつ」人材をとるべきはずの「編入枠」は、理系エリートのキャリアチェンジのためのルートと化してしまったのである。