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人事評価「上位5%社員」の会話を分析して分かった驚きの共通点

シンプルな言葉が、結果を引き寄せる

計527社の働き方改革の支援を行う過程で、私は各社の人事評価で「上位5%」の評価を得ている社員が、ほかの社員とはまったく違う行動を採っているということに注目し、彼らの行動や考え方から、働き方改革のヒントを導き出そうとしました。

前回は「5%社員の特徴的行動」を、特に時間の使い方に注目して紹介してきました。

たとえば彼らは早型で準備に時間をかけ、朝の静かな時間ではクリエイティブな作業を進めている。また、日曜日の夜にメールチェックをしている、などです。

時間の使い方がうまいために、効率よく仕事が出来ているのは言うまでもありませんが、彼らの特徴はそれだけではありません。5%社員と他の社員の大きな違いは、「実現力と創造力」にあるのです。

今回はこうしたクリエイティブな面から、5%社員の特徴を見ていきたいと思います。

 

5%社員は席にいない

5%社員とその他の社員の行動を比べてみると、5%社員は「圧倒的に自席にいる時間が短い」ことがわかりました。会議や打ち合わせに呼び出されることが多い、ということもありますが、それだけでなく、自ら頻繁に席を離れて、社外ではキーマンと対話し、社内では他部署の人に話しかけにいきます。

最近は、どこの業界でも課題が複雑化し、ひとつの部署だけでは解決できなくなってきました。しかも、課題の解決には、個人力ではなくチーム力が必要になります。異なる知見を持っている人たちのアイデアを掛け合わせることにより新たな解決案が生まれ、今までにない方法で課題を一気に解決していく必要があります。

イノベーションは研究開発室ではなく、現場で起きています。イノベーションというと、「技術革新」と訳されることが多いのですが、元々は「新結合」という意味で、異なるものを足したり引いたり、掛けることによって生まれるもの。自分とは違う考えを持った人や、別の環境にいる人との対話や交流から新たなものが生まれることが多いのです。

顧客や市場、さらには社会が抱える問題を敏感に感じ取るには、人と触れ合わなければいけません。ひとりで机に座って考えていて生まれるものではありません。

5%社員はイノベーションを生み出すために、自然に多くの部署の人とコミュニケーションを採っているのです。だから、自分の席にいることが少なく、別の部署の誰か(有能な社員)と一緒にいることが多いのです。

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なにか大きな課題にぶつかったときに、いつ、誰に協力を求めることになるかもわからない。自分にはない能力を持っている仲間をいかに多く集めることができるかが、仕事で結果を出すためのきわめて重要な条件になっています。

そのために、ひとりでも多くの協力者を作っておく。働く時間を増やさず成果を上げて評価や報酬を上げるのは、時給を上げるということ。時給を上げるためには「信頼を築くこと」が極めて重要であることを5%社員は知っているのです。

良好な信頼関係を築くには、先に相手に何かをやってあげる(Give)ことが重要です。そして、困ったときにその相手から支援を得る(Get)のです。ですから5%社員は一生懸命に他人をサポートします。

ずっと自分の席にいたり、あるいはずっと同じ部署の人と付き合っている人は、5%社員を見習い、少し行動を変える必要があるかもしれません。