格差に絶望する前に、あなたが持つ「もうひとつの資本」を活かせ

1000万を3億にした「アマゾン男」
鈴木 貴博 プロフィール

人的資本だけしか働かさなくて未来はあるか

経済成長している国の平均株価は長期的にはとてもいい利回りを示す。これはポートフォリオ理論というもので、実際に投資信託として平均株価のような指標に投資をする商品が人気です。

たとえばアメリカという長期的に成長を続けている国の大企業500社を集めた株価指標に、S&P500というインデックスがあります。このインデックス、2009年2月末には735ドルでした。先ほどのアマゾンの話と同じ日に投資をはじめたと考えた場合の話です。それが2018年の10月末では2711ドルに増えています。

これは10年間で約3・7倍、為替の影響を考えると4・7倍の増加です。アマゾン株のように30倍になるわけではありませんが、市場インデックスに投資していれば、儲けたお金は10年間で3700万円、毎年平均では370万円のお金を稼いでくれています。これを年利に直すには(複利で考える必要があるので)ちょっと複雑な計算式を使わなければいけないのですが、結論で言えば年利14%というハイペースで「お金がお金を稼ぐ」ことができています。

日本の株価はバブル崩壊以降長期低迷し、リーマンショック後が底値となりました。たまたま2009年に日経平均株価に投資をすれば、7416円でインデックス投信を買うことができました。その後アベノミクスによる株価回復が起き、2018年9月初頭に日経平均は2万2865円の水準にまで上昇していますから、彼が日経平均に1000万円を投資していれば年利12%ペースで資産は増加し、約2100万円も儲けていたことになります。

つまり先ほどのアマゾン男の話は例外的な成功例だとしても、平均的なサラリーマンが「1000万円のお金を平均株価で運用しよう」と考えたとしたら、アメリカ株なら金融資本の年収は元手を差し引いて370万円、日本株なら年収210万円のお金を稼いでいたというわけです。

 

人的資本しか働かせていないサラリーマンの年収が比較的よいほうだとして500万円。人的資本だけではなく1000万円の金融資本も一緒にアメリカ株の平均的なインデックス投資を通じて働かせていたサラリーマンの年収は、370万円上乗せされて870万円。このように比較をすれば、ふたりの年収はずいぶん違って見えます。

ここで理解すべきことは「あなただけが働くこと」と「あなたのお金が共働きしてくれること」の、どちらがあなたにとってよりよいお金の未来なのかということです。