2年後、センター試験廃止で大学入試は「カオスな世界」になる

医学部受験のプロが断言
原田 広幸 プロフィール

貧富の差=学力差となる恐れアリ

新テストの改革におけるもう1つの目玉は、英語の「4技能評価」に民間の検定試験を導入する計画である。

「英語4技能評価」とは、従来のセンター試験などで実施されていた「読む」「聞く」テストに、「書く」「話す」技能の評価を加えたものである。現在、「書く」「話す」テストの開発は、民間の検定試験実施会社のノウハウが進んでいるので、それを利用しようというものだ。

貧富の差=学力差に

急速なグローバル化で、教養型の英語教育から、コミュニケーション重視の英語教育へ、という理念にも大きな問題があるが、それを、全国一律で、共通に評価しようというのである。

そこで、現在、すでに民間の事業者によって実施されていて、評価が定着している検定試験を活用しようというのは、目的はともあれ、方法論としては、ありうる選択肢だ。

 

しかし、どの検定試験を採用するかについては、文科省は1社に絞ることはできず、結局、ケンブリッジ英語検定、TOEFL iBT、IELTS(IELTS Australia)、TOEIC(L&R・S&W)、GTEC、TEAP、実用英語技能検定(英検)、IELTS(British Counsil)が、共通テストの「英語」の試験として、成績提供システムに参加することとなった。

受験を希望する者は、高校3年生以降の4月~12月の間に受検した2回までの検定試験の結果が、共通テストの成績として、大学に提供されるが、どれを受験するか、そして、各テストの傾向を調べ、「受験慣れ」しておくことが、高成績をとるポイントとなる。

上記のような検定試験は、評価レベルを安定化させるために、同じ問題形式を繰り返し実施している。したがって、巷間で言われているように、受験回数を重ねれば重ねるほど、成績はアップしていく。

こうなると、中学くらいから何度も試験にチャレンジできる財力をもった、都市部に住む受験生が圧倒的に有利になる。田舎に行けば行くほど、受験料や受験会場までの交通費がかさむため、試験対策のための経済的負担が大きくなる。

金持ちの家庭の子は、高い検定試験を何度も受けて、自分にあった検定を見つけて、最高の点数を大学に提出する。一方で、お金のない家庭の受験生などは、本番の受験のチャンスすら奪われかねない。かくして、民間の検定試験を導入することで、貧富の差は拡大し、その貧富の差がそのまま学力差となってしまう。