新疆ウイグル「絶望旅行」を終えて帰国した大学生の本音

ノービザ&6万円で行けるが…
安田 峰俊 プロフィール

異常な警備体制が敷かれるウルムチ

――旅行お疲れ様でした。まずはあなたの自己紹介と、今回の旅の日程と目的を教えてください。

都内の私大4年生の「Enamin」と申します。もう大学の単位を取り切ってしまったので、昨年秋に友達と一緒に中央アジア旅行に行くことにしたんです。中国語は片言しかできませんが、過去に中国やロシアを何度も旅行したことがあります。

今回の日程は、中国の重慶市を起点に、新疆からキルギス・タジキスタン・ウズベキスタンまで陸路でシルクロードをたどるものでした。寝台列車で新疆の区都・ウルムチに入ったのは10月29日です。市内で1泊後、再び寝台列車でカシュガルに行き2泊。その後、ウルグチャット(ウチャ)という街からキルギスへ乗合自動車で国境越えをしました。

※ウイグル料理はめちゃくちゃ美味しい。最近は日本でも食べられる店が増えつつあるが、現地の味は格別だ。(Enaminさん撮影)

旅の目的は、中国から中央アジアへと風景や文化が変わってゆくシルクロードの様子を見てみたいなと。あと、僕は政治的な関心は強くないのですが、ネットで「ウイグル」を検索するとギラギラしたセンセーショナルな情報がたくさん出てくるので、実際はどうなのか気になったんです。現地では本当に少数民族が弾圧されているのか、一体どんな社会になっているのか、自分の目で見てみたいなと思いました。

 

――正しくバックパッカー的な動機ですね(笑)。私も2014年春にウルムチに行ったことがあります。当時も警備体制は厳重でした。特に地方都市は、城管・公安・武装警察・特殊警察……と、中国の治安維持機関の見本市みたいな状態でしたが、現在はもっと深刻でしょう。

はい。商業地域と居住地域とを問わず、ウルムチやカシュガルの街のいたるところに監視カメラがありました。見た目や配線も新しく、最近設置された最新型の機器のようです。1ヶ所に2〜3個設置されていることが多く、死角が無いように作られていました。自動車道路にも3車線の道幅いっぱいに10個ぐらいカメラがあって、すべてのナンバーを記録しているようでした。

※ウルムチ市内の各店舗に掲げられた中国国旗。街は「開発」されている。(Enaminさん撮影)

街は異常なほどの数の中国国旗と習近平政権のスローガンだらけで、正直に言って不気味です。バスの中まで中国国旗だらけですから。あと、駅やバスターミナルはもちろん、バザールや商業ビルなど人の集まる場所に入るときは必ず身分証を確認され、金属検査を受けます。バザールや一部の施設では顔認証機械の通過も必要でした。ただ、これを課されているのはウイグル族っぽい顔立ちの人だけのケースが多かったです。