所得水準、大学進学率、社会的地位まで…「23区格差」の残酷な実態

この格差が固定化されていいのか
池田 利道 プロフィール

このままでは…

「三平」のトリは職位。難しくいうと「職位」と「役職」は違うそうだが、ここではほぼ同じことだと考えよう。

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それなら「高職位」の代表は会社の役員だ。働いている人に占める役員の割合が多いトップ2は港区と千代田区。少ないのは板橋区と北区。東部3区は19位~21位で、低いことに間違いはないが最低ではない。

しかし、映画『男はつらいよ』で寅さんと丁々発止を繰り返すタコ社長も立派な役員さんだ。名刺の肩書は役員でも、その内実は色々ある。

筆者は、「エスタブリッシュメント層」と名づけた独自の「高職位層」を設定している。定義は、役員のうち専ら管理的な仕事ないしは専門技術的な仕事に携わっている人と、管理的な仕事についている正社員の数を足し合わせたもの。自ら印刷工場の現場で汗を流すタコ社長は、ここでお引き取りを願うことになる。

 

図表に示したように、この指標でみると東部3区はまたもボトムに沈んでしまう。23区全体を見渡しても、順位の顔ぶれは他の「三高」指標と大差がない。平凡なまちには平凡な仕事がよく似合うということなのだろうか。

いずれも港区と足立区の比較で、所得格差は3.3倍、学歴格差は2.6倍、進学格差は1.8倍、職位格差は4.5倍。まちのブランドは、実態があって生まれてきたのだろうが、いまではブランドが先行し、実態をより深刻化させている面も否定できない。

このままでは、ますます格差が拡大を続けていくことになってしまう。