Photo by iStock
# 教育費

学資保険、児童手当、奨学金……教育費のキケンな「落とし穴」に注意

現役FPが教えるお金の守り方
貯金、保険、教育費、住宅ローン、老後資金……人生100年時代、「一生、お金に困らない人」はどんな準備をしているのか? そんな女性の疑問に応えるのは、ファイナンシャルプランナーで『腹黒くないFPが教えるお金の授業』などの著書がある岩城みずほ氏だ。人生における大きな出費といえば、子どもの教育費。学資保険、児童手当、奨学金など、さまざまな商品や制度があふれているが、どう上手に利用すればよいのか。岩城氏に教えてもらった。

定期預金のほうがマシ?

「さあ大変、教育費を貯めなければ!」と学資保険や、学資保険代わりに終身保険などの貯蓄性の保険に入るのは間違いです。なぜ間違いなのかは、後でご説明しますが、まず「学資保険」について知りましょう。

Photo by iStock

学資保険は、子供の教育資金の準備を目的とする「保険」です。通常は子供が被保険者になり、親が契約者になります。万が一、親(契約者)が死亡すれば、それ以降の保険料の支払いは免除されます。つまり、将来の学費を貯めながら、保障機能も備えた商品です。

私も、子供が生まれた時、訪ねてこられた郵便局の人に熱心に勧められて、300万円の学資保険に加入しました。当時は予定利率が今よりも高く、返戻率もそこそこよかったので、「郵便局の学資保険」は大人気商品でした。実際、その頃は教育費の“足し”になったのです。

ちなみに「返戻率」とは、契約者が支払う保険料の総額に対して受け取ることができる「満期金+祝い金」の比率のことです。

しかし、今はどうでしょう? 教育費は上がり続けています。また、かつては「貯蓄」として機能していた「学資保険」も、世の中の低金利を反映して、「返戻率」はすっかり下がってしまっています。とても「学資保険」で教育費をまかなえる状況ではないのです。

先日、37歳の会社員Aさんが、テレビコマーシャルでも有名な大手保険代理店で勧められたという「学資保険」の保険設計書を持って、ご相談にお見えになりました。お子さんが生まれ、教育費をつくるために「学資保険」に加入しようとしたそうです。

12歳で保険料が払い込み満了になり、中学入学時と高校入学時に祝金が基本保険金額の10%ずつ支払われ、大学入学時に満期保険金が支払われるというものです。

 

保険料払込累計額は198万円、受け取り総額が199万1400円です。

18年間で1万円ちょっと増えるだけです。皆さんも、「さすがに、それはないだろう!」と思われますか?

しかし、Aさんはこうおっしゃるのです。

「今、定期預金の利率は0.01%です。全然お金は増えませんよね? それなら、死亡保障もある学資保険のほうがよいのではないですか?」

本当にそうでしょうか?

もし、お金が必要になって、契約から数年で解約すると、支払った保険料からずいぶんペナルティを差し引かれてしまいます。また、保障に費用がかかるため、満期を迎えても元本割れするものもあります。

一方、定期預金に入れておけば元本割れすることはありません。定期預金と保険を比べること自体、間違っています。

それに、この学資保険の年利回りを計算すると、0.031%です。今後、世の中の金利が上がれば、預金金利も上がりますが、保険の金利は、満期まで変わることはありません。お金が必要になっても自由に使うこともできません。

「お金の置き場所」として適切だと思われますか?

超低金利の今、保険でお金は増えません。「保障」と「貯蓄」は別々に考えましょう。

「教育費をつくるために」わざわざ学資保険に入る意味はないのです。