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中高生にとって「論文を書く力」こそ、入試と人生の必勝法だ

新・大学入試時代に求められる力とは
卒業論文といえば、大学生活の最後に苦しみながら書いた記憶をお持ちの方も多いであろう。しかし、近年、論文作成を課す中学、高校が急増していることをご存じであろうか。なぜ、いま中高生が論文に取り組むのか。新しい大学入試において求められる力とは何なのか。論文論、そして図書館学習に長年携わってきた小笠原喜康氏、片岡則夫氏による『中高生からの論文入門』の刊行に先立ち、「はじめに」を公開する。

小笠原喜康氏のプロフィールhttps://gendai.ismedia.jp/list/author/gendai-shinsho/hiroyasuogasawara

片岡則夫氏のプロフィールhttp://gendai.ismedia.jp/list/author/gendai-shinsho/noriokataoka

考えを組み立てる力が求められている

人工知能だ、ロボットだ、というこれからの社会、何事もコトバだけ知っていても、役に立ちません。これからの社会では、知っている知識を、自分なりに使えなくてはなりません。そのため大学入試も、これから大きく変わります。それは、こうした世の中の変化をみすえてのことです。

そうした変化の中で、いま一番求められているのは、自分の考えを組み立てる力です。このたび刊行する『中高生からの論文入門』では、中高生のみなさんが、その力を培うために書く、論文のノウハウをガイドします。論文は、自由作文とは違います。なにより、自分のテーマを決めるのが難しい。なにを書いたらいいのかよりも、そもそも自分がなにに関心があるのかがわかりません。

そこで、どうしたら自分の関心を見つけだし、絞り込み、組み立てるのか、その手順をていねいにガイドします。あまり構えなくても、一通りこのガイドにそって探究すれば、だれでもともかくもある程度書けるようになります。

また、そのために、ポイントをパッと見てわかるように、図解や箇条書き、そして事例を多くしてあります。論文、論文と構えずに、自分の中にある疑問や関心を見つけだし、掘り下げるつもりで、取り組んでみてください。

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変わる大学入試

2021年から、大学入試が大きく変わります。それは、明治以来の日本の教育の中で、もっとも大きな変化となるでしょう。なにが変わるのか。箇条書きしてみましょう(中教審答申)。

・一点刻みの点数ではなく、段階別評価になります。
・なにを知っているかよりも、なにを学びたいかが問われます。
・一発入試ではなく、高校時代になにをしてきたのかが問われます。
・これまでのような短い小論文ではなくて、大学のインターネットや図書館を使っ   て、長い論文をその場でパソコンで書かせられます。
・討論や面接、そしてプレゼンテーションが課せられます。

ともかく、いままでの大学入試に関する常識は、ほぼ通用しません。もちろんすぐには、この全部が変わるのではありません。でも、いま中学生のあなたが、大学に入るころには、こんな感じになっているはずです。

すべての大学が、このようになるとも思われません。しかし少し難関な大学、国立の大学なら、ほぼこのようになるでしょう。となれば、回り道のようだけれども、もっとも有効なのは、あなた自身の探究力・構築力・表現力を磨くのが一番ということになります。