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# 現物投資

200万円の資産を3000円で売り払う「悲劇」を避けるための心得

コイン・宝石投資の「出口戦略」を学ぶ

ここまで7回にわたって実物資産投資についてご紹介してまいりましたが、最終回の今回は「出口戦略」、つまり「実物資産をお金に変える方法」についてお話ししたいと思います。

いかにして利益を確定するか…この考えはとても重要です。そもそも、「出口のない投資」は投資とは言えません。

アンティーク・コインにしてもカラーストーンにしても、単なる趣味の対象として収集するだけなら、あらかじめ出口を想定しておく必要はありません。しかし投資の対象としてみるのなら、いかにして利益を確定するのか、つまり「出口戦略」について必ず考えておかなければならないのです。

では、アンティーク・コインやカラーストーンといった実物資産には、どのような「出口」があるのでしょうか。

 

ウン百万円のコインが、3000円で…!?

皆さんがお手持ちのコインをお売りになる場合、まず有力な選択肢になるのが「コイン商」です。なにより、その場で品物と現金と交換することもできるのが利点です。大手のコイン商には鑑定士がいますので、お望みなら、コインをその場で買い取ってくれるでしょう。現金払いが主流ですが、指定する銀行口座へ振り込んでもらうこともできます。

ただし、いくつか注意が必要な点もあります。

たとえば、コイン商の選び方です。一口にコイン商といっても、コインに対する知識や鑑定力には、思いのほかバラツキがあるのです。特に切手や宝石、着物など幅広く扱う「買取専門の質屋」は避けるべきでしょう。

数年前、こんな出来事が実際にありました。東京のある老舗コイン商に、街の質屋さんから十数枚の外国コインが持ち込まれたのですが、なんとその中に、希少なことで知られるイギリスのジョージ4世のクラウン銀貨(1826年)が混じっていたそうです。

19世紀に流通した英ジョージ4世のクラウン銀貨。写真は記事中に登場するものとは別の年代のクラウン銀貨で、発行年によって希少性が変わる(Photo by gettyimages)

そのコイン商が入手ルートを聞いたところ、「店頭に一見のお客さんがお見えになり、その十数枚のコインを買い取ってほしいと依頼された」とのことでした。その質屋さんが提示した買取価格は、コイン一枚当たり一律3000円。しかし、ジョージ4世のクラウン銀貨(1826年)は発行枚数がわずかに150枚で、コイン市場においては未使用状態なら200万円を超える値がつきます。

つまり、そのコインの売り主は、大きな利益をみすみす逃してしまったのです。質屋さんに悪気はなくとも、結果的にこのような悲劇が起きてしまうこともあるわけです。

特に高値がつきそうなコインをお売りになる場合は、少なくとも質屋ではなくコインの専門店を選ぶことが重要です。さらには一社だけではなく、複数のコイン商に持ち込んで査定してもらうことをお勧めいたします。