# 消費税

消費増税再延期は「現実的に可能か」「適切な判断か」

リーマンショック級、かもしれないが…

最適な判断なのか

「極めてボラティリティーの高い動きが見られたことは、強い懸念を持って認識せざるを得ない」――。

一時1㌦104円台後半まで進んだ急激な円高と大幅な株価下落を受けて、財務省の浅川雅嗣財務官は先週金曜日(1月4日)の午後、情報交換のため、金融庁、日本銀行幹部を交えた臨時3者会合を開催、直後に記者団にこう危機感を表明した。

その数時間後には、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の講演の場で、既定路線の金融政策の正常化について「柔軟に見直す」と語り、市場の安定を最優先する考えを鮮明にせざるを得なかった。

世論の支持を失いかねない増税に慎重なのは、民主主義国家の政府の常だ。周知の通り、前回(2014年4月)の消費増税以降、安倍総理も2度にわたって消費増税を見送った実績がある。

 

この春から夏にかけては、統一地方選や参議院議員選挙が目白押しだ。それだけに、年末から続く世界的な市場の混乱が増幅すれば、リーマンショック級の経済危機の到来だとみなし、政府・与党の議員らを中心に、10月に予定されている消費増税の3度目の延期を求める圧力が高まってもおかしくはないだろう。

だが、はたして、消費増税の再々延期は現実に可能なのか、あるいは見送ることは適切な政策判断なのか考えておきたい。

混乱からはじまった2019年

平成最後の大納会となった昨年12月28日、終値は前年のそれを下回った。2012年から2017年まで続いた株高局面が途切れ、7年ぶりの株安の年の瀬となったのだ。年を越した先週金曜日の大発会でも、東京株式市場は日経平均株価が昨年末比452円.81銭安の1万9561円96銭と3年ぶりという下落のスタートになっている。

内外のマーケットは荒れており、先週水曜日に、2019年の取引を世界のトップを切って開始した中国市場では、上海総合指数が4年2ヵ月ぶりの安値を付けたのを発端に、先週木曜日の東京外国為替市場では円相場が急騰、一時1ドル=104円台と約9カ月ぶりの円高水準を付ける場面もあった。

そして件の大発会では、前夜、米アップル社が業績の下方修正をしてニューヨーク株式相場が大幅安となったことを直接のきっかけにして、日経平均株価が大きく下げた。堪らず、日米の金融当局は動揺を抑えようと、冒頭のようなコメントや対応を打ち出す事態に発展した。