レーダー照射事件・あまりに粗末な韓国の反論で「深まる疑念」

はっきりさせておくべきことがある
髙橋 洋一 プロフィール

強くなる疑念

第三に「広開土大王艦は日本の哨戒機に向かって射撃統制・追跡レーダー(STIR)を照射しませんでした」というもの。

その中で、韓国側は「日本の哨戒機は直ちに回避行動をしなければならない。しかし、広開土大王艦側で再び接近する常識外の行動を見せつけた」と言っているが、日本側の動画を見れば、回避行動を取っているのは明らかだ。

その後のアプローチは必要なもので、これは、レーダー照射をして日本の哨戒機を追っ払ったのに、また戻ってきたという韓国側の恨み節……と見るのが正しいだろう。

 

前回のコラムで筆者は「韓国は常々から北朝鮮の漁船を軍艦で救助しており、これを知られたくなかったのではないか」と書いた。読売新聞の記事をもとにしたある種の推測ではあるが、やはり韓国側にとって見られたくない現場だったのではないかという疑念は、さらに強くなってしまう。

第四に「日本の哨戒機の通信内容は明確に聞こえませんでした」というもの。

しかし、韓国側の反論映像でも、艦番号はしっかり聞こえている。それなのに、なぜ韓国側は応答をしなかったのか、まったく不可解だ。相手が名前を名乗って、こちらに呼びかけたことがわかっているのに、応答をしないのはあまりに非常識だ。

4日に公開された韓国の反論動画は、韓国語版と英語版があったが、韓国メディアによると、新たに日本語、中国語、フランス語、スペイン語、ロシア語、アラビア語の字幕付きのものが出るようだ。国際社会に対して「情報戦」を仕掛けているなら、日本も対抗すべきだろう。両者をみれば、ほとんどの国の人が、日本のほうに分があるとわかるはずだ(韓国の英語版映像には、視聴した人から厳しい評価がついている)。

さらに言うなら、韓国軍艦はそのとき救助活動に従事していたというが、救助対象は北朝鮮の漁船で、しかも、日本のEEZ(排他的経済水域)で違法操業を行っていたおそれが強く、そうであれば国連制裁決議の尻抜けのおそれもあった、とも日本側はコメントしたほうがいいだろう。

韓国側の説明では、遭難漁船を捜索するレーダーを出していて、火器管制レーダーは出していないというが、韓国の動画では、北朝鮮の漁船がすぐ近くにいて発見されているし、海上自衛隊が受けたレーダーの証拠を出せば、一発でそれがウソだとわかるだろう。