「超高額初セリ」のウラで進行しているマグロの危機的状況

3.3億円には理由がある
嶺 竜一 プロフィール

身の色は薄く、脂が乗っておらず、水っぽい。成魚の本マグロと比べて、とても美味しいとは言えない。見た目も味も成魚の本マグロとは似ても似つかない(ちなみに、本マグロに比べて手頃な値段の、キハダマグロ、メバチマグロ、ビンチョウマグロは、クロマグロとは別の種類である。旬の成魚であれば、それぞれに美味しい魚だ)。

本マグロは生まれてから5年ほどで100kgを超え、脂が乗り、味が良くなる。そこからさらに味を蓄え、200kg〜400kgに成長したものは市場で高値が付く。400kg前後の超大物に成長するには20年ほどかかると言われている。

 

100分の1の大きさの赤ちゃんを捕獲

だが本マグロの94%が、0歳から1歳、2kg〜5kg程度で捕獲される。成魚の100分の1ほどの大きさの、赤ちゃんの時である。

太平洋クロマグロの資源状況と 管理の方向性について 水産庁 平成30年8月 資料より抜粋 http://www.jfa.maff.go.jp/j/council/seisaku/kanri/attach/pdf/1800807-11.pdf
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ちなみに水産庁発表の『「太平洋クロマグロ産卵場調査」の結果について』<http://www.jfa.maff.go.jp/j/press/sigen/140516.html>によれば、太平洋クロマグロは、3歳で2割、4歳で5割、5歳でようやく全ての個体が成熟する(産卵できるようになる)。

大きさの目安は体重30kg体長120cmで、それより大きな個体を「大型魚」、それ未満の個体を「未成魚」と言って区別する。個体数で言えば太平洋クロマグロの98%が、未成魚で捕獲されている。

太平洋クロマグロの資源状況と 管理の方向性について 水産庁 平成30年8月 資料より抜粋 http://www.jfa.maff.go.jp/j/council/seisaku/kanri/attach/pdf/1800807-11.pdf
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メジマグロが魚市場のマグロ競り場に並ぶことは一切ないから知らないかもしれないが、大半の本マグロが、成魚の100分の1ほどの大きさで、1kgあたり10分の1〜20分の1ほどの値段で、売られている。つまり、マグロ一尾の価値としては、およそ1000分の1〜2000分の1ほどにしかならない時に、だ。

なぜそんなことをするのだろうか。