2018年のIPO案件を総括すると見えてくること

さて、2019年はどうなる…?
田中 博文 プロフィール

ファイナンス総額はSBの2兆6460億円が最大

ファイナンス総額

公募・売出しを含むファイナンス総額(OAは含まず)ですが、10億円未満が40社、20億円未満で63社と全体の70%近くになり、従来からの傾向を引き継いでいます。一番小さいのはFUJIジャパンの8100万円(うち公募4100万円)、一方で一番大きいのは、ソフトバンクの2兆6460億円(公募なし)でした。

オファリングレシオ

次にファイナンス総額と同じくらい重要で、株式時価総額の何%をマーケットに放出するかという指標のオファリングレシオ「(公募数+売出し数)÷発行済株式総数(公募含む)」ですが、これは平均が26.2%でした。但し、概ねIPO時に約4分の1のファイナンスを行っているということになります。これはマーケット環境に関係なく、従来からこの程度の比率になっています。

今回一番小さいのは、人工知覚技術の研究開発及びソフトウェアライセンスの提供のKudan2.9%でした。そして一番大きかったのは、仮設資材、物流機器を中心とした金属製品の製造販売の信和が、100%で、時価総額158億円全株をマーケットで売却することになりました。結果として、公開価格1150円に対し、初値は1106円となり、初値割れなっています。

 

【まとめ】

2018年のIPOマーケットはソフトバンクの大型IPO、メルカリなど話題性がありましたが、全体感としては、売上・利益が若干コンパクトになりつつも、予想PERが2017年に比べ、高めに評価された結果、時価総額の規模感は2017年と同様の水準となりました。

但し筆者としては、申請期の売上・利益規模が小さくなったことは、各発行体に係る景気環境に若干の変調があったものと考えており、また消費税10%が2019年10月から導入されることによる影響がIPOにどの様影響を及ぼすのか、留意が必要と考えている次第です。

拙い文章ではありましたが、最後までお読みいただき、まことにありがとうございました。2019年も何卒、よろしくお願い申し上げます。