平成最後のお正月で「卒年賀状宣言」が急増した背景

やっぱりみんな負担に感じていたのか
佐藤 大介 プロフィール

衰退一途の「年賀はがき」文化

日本郵便によると2019年用「お年玉年賀はがき」の当初発行枚数は24億21万2000枚。前年比7.2%の減少、15年連続で下降となった。ピーク時の2003年の44億6000万枚に比べると、半分以下の発行枚数となる。

人気アイドルグループ嵐を使って「年賀状を出そう」という必死のTVCM攻勢を行う一方で、文化としては縮小傾向にある「年賀はがき」。もちろん上記の通り、挨拶を送る手段が変わりつつあるというのに一因といえるが、背景はそこまで単純ではなさそうだ。

 

そもそも、人が年賀状を送らなくなった直接的な理由は「個人情報へのハードル」と「互いの住所を知らなくても生活できる」ことに起因している。学校内、職場内、近所で住所録を交換する文化は個人情報保護法の施行後ピタッとなくなってしまった。

以前は学校の「卒業文集」や「連絡網」に住所が書かれていたものだが、それもすべて「個人情報」。知るためには個々人を一人ひとり回って、直接住所を聞き出すしか無くなった。学校によっては氏名すらも隠されているケースもあるという。

ちなみに、個人情報保護法が部分施行された2003年は、年賀はがきの発行枚数のピークと一致する。企業や自治体向けの法律ではあるが、個人の観点においても、個人情報の重要性が認知され始めたのだろう。

LINEをはじめとするSNSの普及により、手紙によるコミュニケーションは少なくなり、互いの住所を知る必要は、まず無くなった。過去には気軽に教え合っていた住所情報は、今の若者たちにとっては秘密情報となり、教えあうことへの心理的な障壁は高い。

最近では、住所を知らなくても物理的なプレゼントを送れる仕組みもできている。もはや、住所を教え合うということ自体が古くさくなってしまったのではないだろうか。

編集部からのお知らせ!

関連記事