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総額2000万円前後に値下げ続々!最新医学部「学費ランキング」

サラリーマン家庭でも医学部、の時代に

近年の医学部入試の過熱ぶりとその背景については、<倍率50倍…!色々あっても医学部が異常な人気を維持し続けるワケ>で述べたが、医学部志望者の増加がとどまるところを知らない大きな要因の一つに、以前に比べ金銭的なハードルが下がってきていることが挙げられる。

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医学部の学費値下げは、医学部の偏差値とブランド力を押し上げる。結果、そこには優秀な学生がたくさん集まるようになる。

今年、不正入試事件で、ブランドに大きな傷をつけてしまった東京医科大学は、早速、2020年以降の入試で、6年間で現状約3000万円の学費総額から1000万円もの値下げを検討しているという。<https://resemom.jp/article/2018/10/30/47446.html>

各医学部が、学費値下げとブランド力の伸長に、正の相関があると信じていることの証左である。

 

相次ぐ学費値下げの結果、医学部人気に火がついた

近年、医学部の入学定員は、少しずつ増加されてきた。しかし、それを上回るペースで志望者も増えている。それはなぜか。かつては、開業医の子弟や資産家の子しか進学できなかった私立医学部で、相次いで大幅に学費が値下げされたことが、一番大きな原因であろう。

もちろん、すべての私立大学で値下げがされているわけではない。しかし、多くの私立大学医学部の学費が「大幅に」値下げされたという事実と、そのアナウンス効果による受験動向への影響は大きい。

これらの情報は、受験生や保護者、学校教員の間に瞬く間に浸透し、折からの経済不況の世相を背景に、受験者はますます増えることとなった。

20年ほど前までは、私立医学部は学費が高額すぎたため、ほとんどの一般家庭の受験生にとっては、受験校として検討の土俵にすらあがらなかった。

その頃の私立医学部は、6年間の学費だけで3000万円超、4000万円超は当たり前で、寄付金や高額な教材費、下宿代なども考えると年間に600~700万円ほどかかった。とてもサラリーマン家庭が負担できる学費ではない。初年度納付金が寄付金を含め1000万円を超える医学部もあった。

しかしこの10年、私立医大の大幅な学費値下げが相次いだ。2008年に900万円もの値下げを行なった順天堂大学をはじめ、6年間の学費が2000万円ほどの大学は10校近くに上る。

6年間での学納金が2000万円前後なら、年間平均350万円以下となる。これなら、一般のサラリーマン家庭でも、貯金を崩したり、奨学金や学資ローンを使ったりなどすれば、なんとか学費を捻出できる可能性がでてきた。さらに成績優秀者に対して、学費減免や修学資金を出す医学部も多くなっている。

また少子化により、医学部受験生の親にとって頼みの綱とも言える祖父祖母からの援助が、一人もしくは数人の孫に集中するようになった。2013年4月からの贈与税減税の効果もあって、子ども一人あたりへの教育資金は増えているようだ。

もちろん、学費の安い国公立医大を目指せればいいのだが、国公立の医学部はどこも超難関。並大抵の学力では合格できない。私立大学の学費値下げは、どうしても我が子を医者にしたい親にとって、一筋の光明なのだ。

学費が値下げされたことによって、日本の私立医大の学費は、アメリカの有名大学の一般学部の学費と比べても、高額ではなくなったということがわかる。

文部科学省の「諸外国の教育統計・平成29(2017)年版」にはアメリカの4つの個別の大学の学費が挙げられている。

シカゴ大学は、年間425.3万円(47514ドル)、マサチューセッツ工科大学は年間389.3万円 (43498ドル)、スタンフォード大学は年間387万円(43245ドル)、ハーバード大学は年間378.5万円 (42292ドル)である。これらを6年間で換算すると、2300万円~2500万円弱となる。

アメリカの医学教育は大学院(メディカル・スクール)からなので、単純比較はできないが、日本の私立医学部は、アメリカの一般エリートの高等教育にかかる費用とほぼ同等の金額に近づいてきたと言える。