〔PHOTO〕iStock

平成最後の年末年始「突然、路上生活を強いられる人々」の厳しい現実

この20年でホームレスは減ったのに…

年末年始を路上で過ごす人々

平成最後の年末年始、寒空のなかで年を越す人がいる。

国の調査によれば、「ホームレス数」は全国で4977人(厚労省「ホームレス概数調査」2018年1月時点)。東京都内だけだと約1000人と言われている。

意外と少ない、と思う人もいると思う。この20年で、いわゆる「ホームレス」の人たちは大きく数を減らしている。

また、この調査は、あくまで昼間に調べていること、テントや小屋などの定住できる環境を得られるホームレスの人たちが減少していることなどから、実態の一部しか反映しないとも言われている。

研究者や支援団体の調査では、少なく見てもこの3倍程度の人数が「ホームレス」として生活しているのではないか、というのが定説である。

「ホームレス」の人は日雇い労働や空き缶拾いなどの都市雑業と呼ばれる仕事などで生計を立てている人が多い。

彼ら・彼女らのなかで、年末年始に仕事のあてを失い、数少ない収入が途絶えてしまう人が少なからずいる。建築現場などもこの時期はお休みに入ることが多い。「ホームレス」の人たちの多くは、年末年始に生活に困る・困りやすいと言われている。

〔PHOTO〕iStock

一方で、近年増加している、と考えられているのが、「ホームレス状態」の人である。

2018年1月に公表された東京都の調査報告(「住居喪失不安定就労者等の実態に関する調査報告書」)によれば、都内だけで約4000人の「ネットカフェ難民」が存在していることが明らかになった。

すでに東京だけで考えれば、「ネットカフェ難民」が「ホームレス」の4倍近く存在している、ということでもある。「ネットカフェ難民」が2000年代の半ばころから社会問題になってきたことを考えると、ここ数年の変化は著しいだろう。

同報告書によれば、「ネットカフェ難民」の約9割が働いている。しかし、派遣やパートという働き方の人が約7割。給料が月払いでない人、単発の仕事で稼いでいる人は、年末年始の休業で無収入になってしまう人もいる。年末年始は「ホームレス状態の人」も生活に困る・困りやすいのだ。

 

また、いわゆる「野宿」や「ネットカフェ」など以外で不安定な場所で寝泊まりしている人も存在している。

サウナやカラオケ店に個室ビデオ店、24時間営業のファミリーレストランやファストフード店……繁華街には安価で朝まで過ごすことができる場所が多くある。そういった場所は、終電を逃した人に紛れて、住まいを失った人の居場所にもなっている。

また、友人や知人宅、はたまた恋人などと一緒に住んでいる人のなかでも、さまざまな理由で、「おうちに帰れない」「おうちを出ていかなければならない」という人が存在する。

もちろん、お金があったり、ほかに頼れる人がいれば何とかなるのだろうが、それがなければ困ってしまう。ふとしたきっかけでこういった状況におちいってしまう可能性を抱えている人は決して少なくはない。