ひょんなことから、現代新書の編集部に少しだけ出入りしている女子大学院生の私、ナナ。ただいま、現代新書のメンバーが一堂に会する「座談会」(というか、忘年会)に潜入中。
前編(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/59158)では、2018年に担当したイチオシの新書を尋ねてみた。それぞれのこだわりを熱く語ってもらえて、とてもワクワクしたな。お菓子の話題で盛り上がる、のほほんとした愉快な一面も垣間見えたし……。
よし、ここからはもっと深掘りしてみるぞ!
ナナ:(メインの鍋料理がグツグツ煮えてきた頃合いで)みなさん、先ほどはそれぞれ自分の担当した新書から1冊挙げていただきました。では、2018年に刊行された現代新書以外で印象深い新書はいかがでしょう?
ハジメ:いわゆる「我々が嫉妬する新書」ね。一番新書を読んでいるのは、ジュンさんなのではないですか? 「歴史のプリンス・ジュン」が嫉妬する本、気になります。
ジュン:40代半ばで「プリンス」もないと思いますけど……、最近読んで面白かったのは、松沢裕作さんの『生きづらい明治社会』(岩波ジュニア新書)ですね。
新書のお手本といえるような読みやすい文章ですし、競争の激しかった明治時代、立身出世できなかった多くの人、近代の価値観からこぼれ落ちた多くの人にとっては、とても辛い時代だった、という内容です。
今年は「自己責任」がキーワードになりましたが、明治時代の「自己責任論」は、現代に通じるタイムリーな内容でもありましたね。
ヨネ:「生きる教養」としてのヒロシさんが、何か1冊あげるとすると?
ヒロシ:僕は、新書は読まないもン。
ハジメ:ちょっと! 新書は「お話になりませんネ」ですか!
ヒロシ:真面目な話をすると、新書を読んでも、新書の企画はできないんですヨ。だったら、読む意味ないじゃないですカ。
ジュン:じゃあ、おすすめのフランス語の書籍でもいいんじゃないですか?
ハジメ:そうそう「第二のトマ・ピケティ」みたいな売れそうな著者、いないんですか? 次はこれが来るぞ、という。
ヒロシ:たとえば、●●●●●。
ハジメ:ほ~ぉ……。それ、さっそく翻訳しましょう!
リュウ:だったらヒロシさんの今の発言は、伏せ字にしておかないと(笑)。
ヨネ:僕は、藤岡換太郎さんの『フォッサマグナ』ですね。
ハジメ:『フォッサマグナ』って、それは他社じゃなくて、ウチのブルーバックスの本じゃない!(笑)
ヨネ:難しくてよくわからないはずの理系的内容を、僕のような文系の人間にもスッと入って記憶に残る。理系の本を文系的に読めるように仕上げた才能に、嫉妬しました。
ハジメ:たしかにあれは、新聞宣伝も素晴らしかった。担当編集のヤマさん、普段は昼行灯みたいなのになぜ、「こんな光景がこの世にあるのだろうか」「ナウマンの発見から140年余り、謎の霧が、今晴れ上がる」なんていう素晴らしいコピーが出るんだろうなぁ。