ひとつ間違えれば命を失う…多剤服用はこんなに怖い

NHK『あさイチ』でも指摘 
週刊現代 プロフィール

気を付けてください

注意すべき薬の飲み合わせはほかにもたくさんあるので、ページ末の表を参考にしてほしい。

自分が多剤服用に陥っていると気づきにくいのは、症状が体調からくるものなのか、薬の副作用のせいなのか区別がつきにくいからだ。症状はさまざまだが、

①ふらついて転倒することがある

②イライラすることが増えた

③物忘れが突然多くなった

④脱力感が抜けない、といった症状があれば、薬の相互作用を疑ったほうがいい。

 

「薬の副作用で、認知症のような症状が出ることもあります。睡眠薬を飲むと、昼間もぼんやりしていたり、変なことを突然言ったりするのです。

過去に診察した88歳の女性のケースでは、突然せん妄(幻覚)の症状が現れ、レビー小体型認知症が疑われました。

ところが薬剤師に確認すると、女性は1週間前に不眠を訴え、睡眠薬を増量して処方していました。これが、せん妄の症状が現れた時期と一致していたのです。薬の用量を減らしたところ、症状がよくなりました」(医師で一般社団法人日本在宅薬学会理事長の狭間研至氏)

 

このまま認知症の薬を処方されれば、新たな副作用に苦しむことになっていただろう。抗認知症薬は手が震え、パーキンソン病のような症状が出る場合がある。

そうすると、今度はパーキンソン病の薬を飲むことになる。こうした負のスパイラルを「処方カスケード(滝の流れ)」と呼ぶ。自分の身体を総合的に診てくれるかかりつけ医がいればいいが、そうでなければ自己管理がむずかしい多剤服用。

記録は薬局でかならずもらう「お薬手帳」に残るはずだが、そのお薬手帳が家に何冊も溜まっている、という人もいるのではないか。

薬剤師の深井良祐氏はこうアドバイスする。

「複数の病院で診察を受けている場合、医師も患者が使っている薬を把握しきれません。薬局に自分の持っているお薬手帳を持っていき、ひとつの手帳にまとめてもらい、それをもとに診察を受ければ、減薬につながります」

薬をたくさん飲んでいれば大丈夫、そう思っていると自分の健康を損なうばかりだ。

「週刊現代」2018年12月22日号より