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ひとつ間違えれば命を失う…多剤服用はこんなに怖い

NHK『あさイチ』でも指摘 

身体の不調の原因が、薬の副作用ということがある。これを改善するために新しい薬をもらってはいないだろうか。飲めば飲むほど悪くなる、負のスパイラルにご用心。

急にガクッと力が抜けて

このところ、イライラが止まらず、カッとなってしまうことが増えた。きちんと薬を飲んでいるはずなのに、吐き気や倦怠感、身体のしびれがよくならない。こんな症状はないだろうか。

あなたがもし、持病のために複数の病院や診療科に通っていて、飲んでいる薬が6種類以上あれば、原因は「多剤服用(ポリファーマシー)」からくる副作用の可能性が高い。

複数の薬を服用することで、薬効が出すぎたり、副作用が強まったりして、日常生活に支障をきたす症状を引き起こす。現在、75歳以上のじつに3人に1人がこの多剤服用に陥っているとされ、医学界でも大きな問題となっている。

 

今年5月に厚生労働省は日本老年医学会らとともに、高齢者の医薬品の適正使用に関するガイドラインを作成し、薬の飲みすぎが引き起こすさまざまな症状や減薬の提案を行った。

この波及効果は大きく、昨年11月29日のNHK情報番組『あさイチ』でも特集を組まれるなど、再三危険性が指摘されるに至っている。

多摩ファミリークリニックの大橋博樹医師はこう解説する。

「多剤服用にはふたつのパターンがあります。まずは、ひとつの症状で病院を受診し、薬の副作用で具合が悪くなり、その治療のために新しい薬を受け取るパターン。

もうひとつは、複数の持病があり、それぞれ別々の病院で診察を受けているパターンです。

前者の場合、たとえば不整脈の薬を飲んでいた患者さんが、『めまいがする』と医師に訴えてきたとします。すると医師はめまいの薬を処方するわけですが、このめまいは抗不整脈薬の副作用からくるものでした。

本来であれば医師は不整脈の薬を減薬、あるいは中止すべきでしたが、めまいの薬まで増やしてしまった。こうして、漫然と患者の飲む薬が増えていくのです」

糖尿病や高血圧などでも症状が重い場合、3~4種類の薬が処方されることは珍しくない。別々の病院で複数の持病を治療していれば、あっという間に10種類以上の薬を常用することになる。