「200万稼いだ子もいるよ」…過激化するSNSパパ活の深い闇

罪悪感はない、というが…
栗田 シメイ

「普通の子」が手軽にやっている怖さ

ハルカ (理系大学院生・25歳)

ここで、大学生になってからパパ活を始めたという女性の話も聞こう。彼女の話からは、パパ活が時代と共に変化してきたことがよく理解できるはずだ。

某国立大の大学院に通うハルカは、パパ活歴7年という「ベテラン」でもある。大学院ではバイオ細胞の研究を専攻し、就職活動と研究の多忙な日々を送っている。そんな生活の中でも、月に3、4人とは定期的に会う時間を設けているという。

「学費のために、と考えてパパ活を始めたのが18歳の時。理系の学科なんで授業料が高く、奨学金の返済が出来るか不安だったんですね。当時は、mixiを使っていましたね。mixi内に“援助募集”というようなコミュニティがあり、そこからメッセージのやり取りをして、会う段取りをつけるという流れでした。

最初に会った男性が紳士的で、思いのほか会話も楽しかった。それで『あ、こんなに楽しいものなのか』と、思っちゃって。それで、休日に9時間くらい一緒に買い物したり、ご飯いったりして、5万円近くもらったのが最初の体験だった。

私の場合は、月に会う人数をある程度決めていて、それ以上は会わないようにしている。研究優先だし、あくまで私生活とは切り離している。“お客さん”とは恋愛関係になったこともない。そこを守っているから長く続けていけているんだと思います」

過去には、3年以上関係が続いたパパもいたという。現在援助を受けているパパも、1年間以上続いている「定期パパ」だという。肉体関係は絶対に結ばない、と断言するハルカだが、彼女と会うパパは何を求めているのか。

「私のように決して可愛くない女性にこそ需要があるんです」

とハルカは続ける。

「パパ活の世界では、ハタチを超えるともうオバサン。これが常識です。加えて私は容姿もごく普通のレベルだと自覚している。ただ、パパ活をしている男性は、普通に話をしたいだけという人もすごく多い。思春期の娘さんの悩みを聞いたり、仕事の愚痴を聞いたり、奥さんとの関係を聞いたり。だから、ひたすら聞き役に徹するように心掛けています。実はこれが一番大事なんだって気づきました。パパにとって私は疑似の娘でもあり、疑似の母親でもあり、恋人でもあるのかもしれません」

パパ活はなくならないし、形を変えて残り続けるというのが、この世界の「ベテラン」のハルカの見解でもある。7年前と比較して、SNSという匿名性が強く、リスクヘッジが可能なツールの登場が、パパ活を行う女性達の絶対数を増やし、質すら変えているという。

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「昔はやっぱり悪いこと、という意識が多少なりともあったと思う。それに、最終的にはセックスをしておカネを貰う、愛人のような関係になる人が周りにも多かった。

いまは本当に誰でも携帯一つでパパ活ができちゃう時代で、覚悟や怖さといった感覚がないのかも。それは私自身も少し感じている。私のお客さんの中には、『タダ飯食って、こちらを楽しませる気がない子ばかり。お金の価値がわかってない』と怒っていた人もいるくらいで、若さを武器に手っ取り早くお金を稼ごう、という意識の女の子達が溢れている。それが、今のパパ活の現実なのかもしれませんね」

最後にハルカは、来夏に結婚予定の恋人がいることを明かしてくれた。だが、パパ活を行っていることに対して、婚約者に罪悪感を感じることはないという。

この「罪悪感のなさ」こそがパパ活に夢中になる若者たちの共通点だ。手軽であり、「誰でもやっている」という空気が、彼女たちの罪悪感を軽減しているのだろう。

各種機関も、この現状に危機感を抱いてはいるようだ。大阪府警はパパ活を行っている少女たちのSNS監視を強化し、待ち合わせ場所に現れた少女らを補導する「サイバー補導」を行っている。また、Twitter社も特定のキーワードに反応して、対象アカウントを凍結するなど対策を講じている。

しかしながら、捜査線や規制から抜ける方法はいくらでもあり、有効な抑止力とはなり得ていない。彼女たちの話からも「バレるわけがない」という余裕をひしひしと感じる。

だが「手軽さ」のウラには危険が潜んでいるということは、この社会の摂理だ。そう遠くない日に、「パパ活」を契機とした取り返しのつかない事件が起こるのではないかと筆者は危惧している。