丸佳浩は巨人の「緊張感とストレス」に耐えられるのだろうか

恵まれた環境に人はなかなか気づかない
週刊現代 プロフィール

もう後戻りはできない

今オフの巨人は「乱獲」の限りを尽くしている。中島宏之(前オリックス)と1億5000万円で合意したのを筆頭に、炭谷銀仁朗(前西武)を1億5000万円、メジャーで20本塁打を放ったビヤヌエバを約2億2600万円で獲得と、矢継ぎ早に大型補強を発表した。

単純に戦力の充実度でいえば、現時点ですでに12球団でナンバーワンとも言える状態だろう。しかし、単純に大型戦力を揃えれば優勝を狙えるかといえば、それはまったくの別問題だ。

「結局、ソフトバンクしかり広島しかり、いま強いチームは自前で育ててきた若い選手と、外国人を含めて外からとってきた選手とをバランスよく混ぜることで、適度な競争を促している。

現在の巨人のように外様ばかりになってしまうと、チームとしての一体感が欠けてくるんです。若手や、これからポジションを取ろうという選手のやる気を削いでしまう。

これでは、外様の選手たちだけがお互いに居場所を奪われないようにピリピリしストレスを抱えるだけで、いくら急場しのぎで補強をしても選手の層は厚くなりません」(巨人OBの高橋善正氏)

 

巨人に行く丸を待ちうけているのは、いつ誰に取って代わられるかもわからないという「孤独な戦い」だ。

「やはり、外から巨人に行く緊張感は格別です。良く言えばピシッと体が締まるような気がしますが、悪く言えば、いつも気が抜けない。その点、広島は選手もファンも本当に家族みたいな空気が流れている。

丸は、巨人で試合に出てみて初めて、広島の環境がいかに幸せだったかを痛感することになるかもしれません」(前出・西山氏)

本当に自分にとって大切なものは何か。それを失うまで気づかないのが人間という生き物だ。そして、いばらの道とはわかっていながらも、「自分だけは大丈夫だ」と思い込むのもまた、人間なのだろう。

「週刊現代」2018年12月22日号より