なぜ「縄文」は、世界史上でも「ユニーク」な文化と言われるのか

「縄文」をめぐる7つの疑問
山田 康弘 プロフィール

ユニークな縄文と私たちとの「つながり」とは

Q6:「世界史上でもユニークな文化」、そう言われることがありますが、どのような点が「ユニーク」なのでしょう?

A6:縄文時代のように磨製石器を用いている時代は、世界史的には通常、新石器時代に分類されます。しかし、ヨーロッパや西アジアなどの新石器時代では、農耕や牧畜が行われるようになり、社会構造が大きく変化することもわかっています。

考古学的には、これを「新石器(時代)革命」と呼びます。ただ、縄文時代には農耕や牧畜は発達しませんでした。したがって、農耕・牧畜抜きの新石器時代という、世界史的にもユニークな位置づけがされるようになりました。

また、狩猟・採集段階の文化で、土器の形態がこれほど複雑に発展した地域は他にはなく、100棟を超すような大型の環状集落が発達した地域も、世界のどこに行っても見られません。それで、縄文時代・文化は世界史上でもユニークなものと言われるのです。

 

Q7:縄文人は、われわれ現代の「日本人」の祖先とみなしていいのでしょうか?

A7:縄文時代につちかわれたさまざまな技術(定住生活における工夫・木材加工技術・動植物利用技術など)は、その後の時代にも継承され、現在にまで残っています。

したがって、文化的な側面から見た場合、縄文文化は現代の私たちにつながっていると考えることができます。

また形質的にも、縄文時代以降、混血などによってさまざまな変化を遂げますが、基本的には、縄文人は私たち現代人につながっていると考えられています。

現代日本人の核DNAの中の、およそ12%が縄文人から受け継いだものという研究もあります。その意味で、縄文人は私たち現代日本人の祖先、少なくともその一つといって過言ではありません。

ですから、縄文人の発想していたことが、私たちの身の回りのごく近いところにいろいろと残存しているとしても不思議ではないのです。

おまけ:お薦めの遺跡、あるいは博物館は?

A:たくさんあってむずかしいのですが、あえて縄文時代の展示が充実している博物館を挙げるとすれば、もちろん、私の勤務地である国立歴史民俗博物館をまずあげさせて頂くとして、そのほかにも、

東京国立博物館
国立科学博物館

などの大型博物館のほかに、

新潟県立歴史博物館
長野県立歴史館
山梨県立考古博物館
福島県立博物館
岩手県立博物館
福井県立若狭歴史博物館

などの県立博物館があります。

また、重要な縄文時代遺跡のそばに建てられていて、遺跡とともに縄文時代の様子を知ることができるところとして、

青森県の三内丸山遺跡の縄文時遊館
是川中居遺跡の是川縄文館
岩手県御所野遺跡の御所野縄文博物館
秋田県伊勢堂岱遺跡の縄文館
大湯環状列石の大湯ストーンサークル館
宮城県里浜貝塚の奥松島縄文村歴史資料館
福島県宮畑遺跡のじょーもぴあ宮畑
長野県尖石・与助尾根遺跡の尖石縄文考古館
井戸尻遺跡の井戸尻考古館
山梨県釈迦堂遺跡の釈迦堂遺跡博物館
新潟県馬高遺跡の馬高縄文館
石川県真脇遺跡の真脇遺跡縄文館
愛知県吉胡貝塚のシェルマよしご
福井県鳥浜貝塚の若狭三方縄文博物館
広島県帝釈峡遺跡群のまほろばの里時悠館
鹿児島県上野原遺跡の上野原縄文の森展示館

などがあります。

縄文時代の多彩さを反映するかのように、日本各地にさまざまなユニークな施設がありますので、訪問されてはいかがでしょう。