メイウェザーvs天心を私たちはどう見たらいいのか

一方的か、塩試合か、熱戦か
安村 発 プロフィール

関係者の生の声は?

では、格闘技関係者は今、メイウェザーvs那須川を、どう見ているのか。

天心の強さを肌で感じたというリナレスは「こんなに速いスピードの選手はあんまりボクシング界でも見ないね。スパーするときも凄く頭を使って考えないといけないスパーになったので僕は疲れたよ(笑)。

もしボクシングに転向すれば世界チャンピオンに100%なれる。左ストレートをもらったら痛かった。まるでゴロフキン(世界主要3団体統一王者で17連続KO防衛の記録を持つ破格のパンチャー)みたいなパンチで、メイウェザーに当たれば絶対にKOできる。試合が楽しみで仕方ないよ」と那須川を大絶賛。

 

また、これまでに4人のボクシング世界チャンピオン(西岡利晃、三浦隆司、五十嵐俊幸、下田昭文)を育成し、那須川を指導する葛西裕一氏(元帝拳ジムトレーナー、現ボクシングフィットネスジム「GLOVES Cardio Boxing」代表)は、

「天心のラスベガスでのリカルドとのスパーリング動画を見ましたが、天心のジャブが当たっていた。あの目のいいホルヘに届いていたというのは朗報。

ボクシングの最高の地位にいるメイウェザーが倒れればボクシング関係者は何をやってんだよ!という気持ちもありますが、僕は天心の才能を買っています。1、2Rはメイウェザーの動きに翻弄されるかもしれませんが、彼は何かしてくれる期待感があります」

とやはり那須川に期待するコメント。

格闘技情報サイト「イーファイト」の熊久保英幸氏は

「普通に考えればメイウェザーがジャブとボディワークで3Rかわしくまくり、天心選手が触れることさえ出来なかった……ということになりそうですが、スピードだけなら間違いなくメイウェザーよりも天心選手の方があるのと、メイウェザーはここまで身長差のある相手とやったことがないと思うのでやりにくさはあるはず」

と語っている通り、日本のマスコミは那須川が何かやってくれるのではないかと期待する声は多い。

那須川の勝利はあり得るのか?

試合では、メイウェザーが9分間ただひたすらジャブを突いて逃げ続けて当てさせず、ただお金稼ぎのためだけに日本に来る可能性も十分にある。しかし、那須川はボクシングにはないステップ、パンチを用意しており、最強の防御を持つメイウェザーを驚かせるだけでなく、パンチを当ててKOする可能性もある。

那須川自身も「当たれば階級は関係なく一発で倒せるパンチを僕は持っています。拳一つで世界を変えるチャンスをいただいたので、それを実行しないといけない」とKO決着に自信を見せている。

格闘技ライターの私自身の見解としては、那須川はこれまでに何度も不可能だと思われてきたマッチメイクを意外な形でクリアーしてきただけに、今回もあっと思わせる何かを起こしてくれるに違いないと思っている。

余談なのかもしれないが、今年一緒に登った富士登山でも、台風接近で危険な状況だったのだが、登頂は成功できた。私は、神童が一緒にいたからこそ奇跡が起きたのだと思っている。

那須川天心はいつも『僕が格闘技界を変えていきます』と言っている。MMA挑戦、今回のメイウェザー戦も、井上尚哉選手、村田諒太選手といった日本が誇るボクサーでさえ絶対に出来ないマッチマイクを実現させたわけである。求心力を持つ彼だからこそ実現できた一戦であることは間違いない。

那須川天心は私たちに、『メイウェザーをKOします』と言ってくれた。これまで神童・那須川天心が何度も見せてきてくれた“まさか”を信じたい。

2018年12月31日、平成最後の大晦日。ボクシング界、キックボクシング界に衝撃が走るはずだ。この一戦を見た人すべてが、歴史の証人となるだろう。