メイウェザーvs天心を私たちはどう見たらいいのか

一方的か、塩試合か、熱戦か
安村 発 プロフィール

キック一発の罰金は5億円以上?

ちなみに那須川の得意の蹴り技は反則行為となり、もし一発蹴れば5億5000万の罰金とも言われている。

12月6日(現地)にアメリカのメイウェザーのジムで行われた記者会見では、「キックルールではやらないのか」という米国記者の質問に対してメイウェザーは、「俺がルールだ。彼が足を上げたければギャラがもっと上がるだけだ」とまくし立て、会見を打ち切った。

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今回大多数の人が那須川にとっては危険な戦いだと思っただろう。本気になったメイウェザーがKO狙いにいけば、10kgも軽い那須川がKOされ破壊されることもありえると、体格差、経験差、知名度も圧倒的に不利な那須川に対して米国メディアは那須川の挑戦を危険視する声もある。

無敗記録を持っているメイウェザーは世界一のディフェンス力があるともいわれ、これまでに多くの世界チャンピオンがメイウェザーをKOしようと挑んだが、彼の顔面に拳を当てることさえ出来なかった選手は数多い。

 

世界王者リナレスとの猛特訓

だが那須川天心は、本気で勝つ気でいる。ボコボコにされる気も、適当にあしらわれて終わる気も、さらさらない。

那須川はメイウェザー戦に備えて本場のボクシングを体験するために渡米し、ラスベガスで猛特訓を行ってきた。プロボクシング世界3階級制覇王者ホルヘ・リナレスと2週間に亘って毎日のようにスパーを行い、対策を練っている。映像を見る限り、天心のボクシングは、記者の私の目から見て、格段にレベルが上がっている。

そうした情報が入ってきているのか、最初の発表からおよそ2ヶ月で、メイウェザーの態度も変わってきている。

このカードが発表された11月5日の会見でメイウェザーは「力を尽くす、今回もやるべきことをする。(那須川は)普通の選手ではないが経験では私に分がある」と余裕の発言をしていた。

那須川が、「身長以上にスゴイ大きいものを感じて、オーラをすごい感じた」と語りつつ「でもパンチは当たりそうだなと思いました」と言うと、メイウェザーは手を叩いて大笑いしていた。

だが、那須川の試合映像を米国でチェックし警戒したのか、12月6日の会見では約1時間遅刻した上に、終始イライラした様子で、「自分にとっては特別なものじゃない。大きなお金が動く、ファンを楽しませるエキシビションと聞いている」

「これは真剣勝負ではない。自分はワクワクしていない」などと一人で30分喋り倒してさっさと帰ってしまった。モチベーションの低さを露わにし、少し焦っているようにも窺える様子も見せ始めた。