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「コンサルもMBAも、もはやエリートではない」現役MBA生のリアル

世界で強まる「あたらしい働き方」
鈴木 あゆみ プロフィール

多様化するMBA生の生き方

筆者が米国に来て感じたことは、若手優秀層の生き方が多様化しているということだ。

MBA生の間でも、様々なバックグラウンドの人がいる。投資銀行でのキャリアがありながら途中でエンジニアに転向した人、コンサルティングファームから起業キャリアへ転向してきた人、グーグル等のテック大手からスタートアップに転向してきた人、あるいは一貫してスタートアップ畑で会社の売却まで経験してきた人など、30歳前後のMBA生の間でも、キャリアが大きく多様化している。

アイビーリーグなど有名大学卒の人も、日本人ほどの「リスクを取って挑戦している」という感覚なしに、もっと多くの人が気軽にスタートアップや起業に挑戦している。逆に言うと、有名大学卒だから、あるいは有名企業出身だからという理由で、その肩書にプライドを持ち続けて固執しまうような人は、一瞬にして時代から取り残されてしまう。

日本人にありがちな、名だたる大企業出身1社だけで勤め上げてきたキャリアの人は、米国MBAでは、そうそういない。

 

MBA各校の生き残り策

そもそも、MBAがエリートという時代ではもはやない。米国においても、MBAなしで起業・スタートアップキャリアを選ぶ若手優秀層が増えている。「MOOC」や「Coursera」などのオンライン講座の普及も、MBA不要論に追い打ちをかけている。そんな中、MBA各校は生き残りをかけて、実践的なプログラムの提供に挑んでいる。

筆者の所属するコーネルテックMBAというプログラムは、コーネル大学ジョンソン経営大学院を母体とする、テクノロジー分野に特化した1年制のMBAプログラムである。

写真提供:コーネル大学

コーネルテックは、ニューヨークにおける地域活性化事業として、2011年にコーネル大学とイスラエル工科大学の共同事業として発足した。現在はテクノロジー分野において、スタンフォード、MIT、UCバークレーと並ぶトップスクールMBAの一つとして位置付けられている。

2018年11月にアマゾンがニューヨークに第二本社の設立を決定した際、コーネルテックがアマゾンの誘致に大きな役割を果たしたとされており、現在はコーネルテックの学長がアマゾンの取締役会に就任している。今後も、アマゾンとコーネルの共同プロジェクトが予定されており、コーネル生限定の学習機会も期待されている。

コーネルテックMBAでは、スタートアップや大企業におけるプロダクトマネージャーの育成を教育理念の一つとして掲げている。

そのため、ストラテジーやファイナンスといった従来のMBAカリキュラムに加え、Python、SQLといったプログラミング言語やデータ分析に関する授業が必修となっているほか、現地スタートアップやテック大手の実務担当者と一緒に新規事業の立案を行うプロジェクト、エンジニア・デザイナーの学生とMBA生の共同グループワークなど、実践的なコース内容が必修科目になっている。

フィンテックやマシーンラーニング、デジタルマーケティング、デザイン・シンキングといった最先端の分野においても、シリコンバレーやニューヨークでの実績のある教授を揃えており、実践的な授業が数多く開講されている。

そのほか、MBA生でもマシーンラーニング経験者、エンジニア出身といったSTEM(科学・技術・工学・数学)バックグラウンドのある人が非常に増えている。MBA入学以前に起業経験やスタートアップ経験のある人が、MBAで知識やネットワークを得て、再びスタートアップ・起業キャリアを選択するケースも多い。

米国トップスクールMBAでは今、こうした時代のニーズに応えるべく、各校で急速にテクノロジー分野の授業が拡充されている。