脱税30億円を摘発!国税は芦屋の超富裕層たちの何に目をつけたのか

内幕ドキュメント
週刊現代 プロフィール

「お宅もですか」

周囲とは隔絶された空間だけに、今回の「脱税騒ぎ」で世の中の注目を集めたことは、住人たちの間でも大きな話題になったという。

両親の代からこの地に住む70代の女性が言う。

「この辺の住民は徒歩で移動する習慣がないので、ご近所付き合いというのはあまりないんです。でも、国税の調査の件は、以前からかなりの噂になっていました。

一時期は顔をあわせると、きまって『うちにも税務署が来たんです』『ええ、お宅もですか』という話になりました。来なかった家のほうが少ないんじゃないでしょうか。

なかには、家じゅうの美術品を『これは誰の名義か』と根掘り葉掘り聞かれたお宅もあったそうで、『いまさら所有者なんて言われても、代々、家に飾ってあるんだからわからない』と困っている様子でした」

実際に、六麓荘町に住む顧客が申告漏れを指摘されたという税理士に話を聞いた。

「1年半前くらいかな。『先生のお客さんのAさんの資産状況についてお伺いしたい』と、芦屋税務署から問い合わせがきた。

その方は、3年ほど前に夫を亡くして巨額の遺産を相続した。芦屋署はウチに問い合わせてきた時点で、具体的な不動産や株の配当益など、こと細かに調べていました。

こちらとしては、申告には何ら問題がないと思っていたので資料も提供したのですが、税務署からはかなり細かく聞かれましたね。

お客さんは『先生にすべて任してますのに。申告の時、何も問題ないって言うてたのに』と不満げな様子でした。でも、税務署は巧みに『見解の違う点』を見つけてくる。

お客さんも立場のある人ですから、脱税などと言われるのを嫌がってすぐに修正申告に応じました。細かいことは言えませんが、指摘された金額は数千万円程度です」

 

今回、住民たちが指摘された内容は、ほとんどが為替差益や相続財産の申告漏れといったケースだ。

新興の成金ならいざ知らず、六麓荘町に住むのは代々莫大な資産を受け継いできた超大金持ちたち。「カネのことは税理士に一任」という家が多く、「意図的に脱税した」という意識は薄いだろう。

前出の女性住人も「なぜ、このタイミングで目をつけられたのか」と首をかしげる。

「どこの家も代々お抱えの顧問税理士に処理をお願いしているところばかりですから。全部お任せして同じようにやってきて、何の問題も起きなかった。皆さんが不安に思うのも、もっともです」