英ダラム大学の天文学者ジェイコブ・ケグレイス氏は、太陽から7番目の惑星である天王星に巨大な岩石が衝突していたことが、詳細なコンピューターシミュレーションから明らかになったと語った。
ケグレイス氏は自らの分析結果を、12月に開催された、地球・宇宙科学に関する大規模な学会で発表した。
天王星は太陽系内でも独特な存在だ。この巨大な惑星は横向きに約90度傾いており、その5大衛星も同じように傾いている。NASAの主任科学者のジム・グリーン氏によれば、天王星では磁場も傾いていて、地球のように北極や南極に磁極があるわけではないという。
また、太陽系の惑星では唯一、中心核からの内部熱の流出が起こっていない。さらに土星のように環があるが、かなり薄い。
カーネギー研究所の惑星科学者スコット・シェパード氏(今回の研究には参加していない)は、「天王星はとても風変わりだ」と語る。
ケグレイス氏の説明によれば、今回のコンピューターシミュレーションによって、天王星に岩石が衝突し、再び形成されるプロセス(衝突した岩石は一部または全部が天王星に取り込まれる)がわずか数時間で起こったことがわかったという。同氏は、激しい衝突とその直後の状況を示すアニメーション動画も作成している。