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薬と食べ物「この組み合わせ」は、実はとても危険です

降圧剤と卵、抗血栓薬と納豆ほか

効き過ぎて副作用が出る

薬(クスリ)は、逆から読むと「リスク」=危険となるように、飲み方や「食べ物」との組み合わせを間違うと、効果が半減したり、反対に効果が強く出すぎたりする「相互作用」を引き起こすことがある。当然、副作用の危険性も増す。

その典型といえるのが、納豆と抗血栓薬のワルファリン〈商品名はワーファリン、以下同〉の組み合わせだ。

城西大学薬学部医療栄養学科、薬物療法学講座准教授で、薬学部「食品――医薬品相互作用」データベース委員会の須永克佳氏が語る。

「いわゆる血液をサラサラにする薬のワーファリンとビタミンKが多く含まれる食品を一緒に摂ると、薬の効果が半減し、血栓(血の塊)ができやすくなる。最悪の場合、心筋梗塞や脳梗塞を起こす危険性があります。

ワーファリンの添付文書には納豆、クロレラ食品、青汁しか書かれていませんが、緑黄色野菜(パセリ、小松菜、ほうれん草)などビタミンKを豊富に含む食材やサプリメントはたくさんあるので、ワーファリンを飲んでいる人は注意が必要です」

 

健康にいいと思って食べていた納豆が、薬の効果を打ち消し、病気を促進していたとすれば目も当てられない。たとえ少量でもワーファリンを飲んでいる間は、一切納豆を食べてはいけない。

その一方でたまねぎしょうが、にんにくなどは血液をサラサラにして動脈硬化を防ぐ効果があるが、ワーファリンを含む抗血栓薬(クロピドグレル硫酸塩〈プラビックス〉など)と組み合わせると、出血するリスクが高くなる。

ちょっとしたケガでも血が止まらなくなる恐れがあるので、摂りすぎには気をつけたい。

納豆を含む大豆卵、赤身肉など高タンパクな食品は筋力を維持するのに必須だ。

が、それらを食べた直後に、降圧剤の一種であるβ遮断薬(プロプラノロール塩酸塩〈インデラル〉など)を飲むと効果が強くなり過ぎるという報告がある。ふらつきやめまいなどの副作用が出やすくなるので注意してほしい。

反対に降圧剤のメチルドパ〈アルドメット〉は、卵や赤身肉を過剰に摂ると、タンパク質に含まれるアミノ酸が薬剤の吸収を阻害するので、効果が半減される。

近年、卵は何個食べても問題ないと言われるが、これらの降圧剤を飲んでいる人は、控えたほうが良さそうだ。

もちろん過剰に摂らなければ問題ないし、よく処方される降圧剤のARBやACE阻害薬は、タンパク質の影響を受けにくい。だが、これらの降圧剤にも組み合わせると良くない食べ物がある。

『知らないと怖い クスリと食品の危険な関係!』などの著者で薬剤師の堀美智子氏は「ARBやACE阻害薬を飲んでいる人が、カリウムを摂り過ぎるのは危険だ」と指摘する。

「カリウムを多く含んだ食材(干しブドウ、ワカメ、ひじき、赤ワインなど)は血圧を下げる効果がある一方で、これらの降圧剤と一緒に摂ると『高カリウム血症』になる恐れがあります。

血中のカリウムが高くなりすぎると、吐き気やしびれなどの症状が現れ、最悪の場合、心停止に至ることもあるので非常に危険です。特に青汁やアガリクスは注意です。実際に入院したケースも報告されています」

他にも薬との相互作用で有名なのが、グレープフルーツだ。降圧剤のCa拮抗薬(ニフェジピン〈アダラート〉など)と組み合わせてはいけない。

「グレープフルーツには、フラノクマリンなどの物質があり、それにより薬剤の血中濃度が上昇します。当然副作用(低血圧、動悸、頭痛、便秘など)も増強されるので一緒に摂ってはいけません。これはグレープフルーツジュースでも同じです」(前出・須永氏)