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知らないで放っておくと紙クズに…「休眠財産」を掘り起こす

寝た子はすぐに起こしなさい

昔作った銀行口座、携帯会社のポイント、父親の株券、毎日のレシート……。どんなものでも、気が付きさえすれば「財産」になるが、それをカネにするにはコツがいる。やり方を一挙ご紹介しよう。

クレジットカードの「特約」を忘れていないか

《口座明細を見落とすな》

来年1月から、10年間取引のない口座は「休眠預金」へと移行する。気が付かないままだと永久に戻ってくることはない。

こうした「眠っている財産」は、私たちの身の回りには山ほどある。どう探せばいいか、どうカネに変えたらいいか。あなたと親の「休眠財産」を掘り起こす方法を徹底的に調べてみた。

まずは保険。親が生命保険に入っていたのに、子どもたちに伝わっていないことはざらだ。

だが放置され続けた生命保険が、ふとした拍子に発見されても、民間保険の時効は一般的に3年だ。母親の死後、すでに6年が経過していた場合、諦めるしかないのだろうか。

ファイナンシャル・プランナーの横川由理氏の答えは「NO」だ。

「多くの保険会社は、要件さえそろえば時効後も支払いに応じています。保険の受取人なら、被保険者との親族関係を示す戸籍謄本や身分証明書を生保会社に持っていけば、記録から支払いが認められる例が多いのです」

だが、親が保険証書を丁寧に整理していない場合、どうやって休眠保険を見つけるのか?

「半年や一年に1回は、書面で保険会社からのレターが届くので、それをチェックする。また保険料は毎月あるいは毎年口座から引き落とされているので、銀行口座カードの明細から把握するべきです」(ファイナンシャル・プランナーで社会保険労務士の川部紀子氏)

もちろん、一括払いの生命保険など、直近の記録では把握が難しい場合もある。そのときは、過去にさかのぼって親の口座の取引履歴を銀行に見せてもらえばいい。

「手数料を払えば、たいていの銀行は、おおむね過去10年分の取引履歴を出してくれます」(吉澤相続事務所・吉澤諭氏)

 

休眠保険は、生命保険に限らない。とりわけ、その他の保険の「特約」の存在をチェックしたい。

まずは、医療保険。3大疾病特約は有名だが、たとえば女性疾病特約が付いていることに気が付かないという例は多い。この特約は甲状腺に関する病気や関節リウマチなども補償の対象になる。気が付かないと、無駄な治療費を払うハメになる。

医療保険の時効も、原則は3年だが、それを過ぎても、支払いに応じる保険会社もある。

「領収書や診療明細書を紛失してしまっても、病院に問い合わせましょう。法令で診療記録を5年間、保管する義務がある。診療記録で病気を証明できれば、支払いの対象となる」(前出・横川氏)

見落としがちなのが、火災保険の特約だ。建物を補償する保険に加えて、家財を補償する保険もついていることが多い。

「火事にならないともらえないと勘違いしがちです。しかし、たとえば自宅でテレビを倒してしまい、液晶が割れてしまった時でも、特約によって実損分をカバーする保険金が下りるのです」(同)

そして忘れてはいけないのが、クレジットカードについている保険だ。

多くのカードには、「付帯保険」と呼ばれる特約機能が備わっている。

海外旅行傷害保険がその代表例で、たいていのカードには、特別な申し込みをせずとも、あらかじめ付帯している。旅行中の怪我や病気の治療費、傷害死亡保障までつく。国内旅行傷害保険を付属するカードも多い。

複数のカードを持っていた場合、それぞれの補償の上限金額が合算される。A社の旅行時治療費の上限額が200万円、B社が300万円なら、合計500万円となる(死亡保険の場合は高いほうが限度)。

また、カードによっては、ショッピング保険も付帯している。そのカードで決済した商品が壊れたり盗まれたりしたとき、期間内であれば商品代金を補償してくれる。

「特約」の内容を、今一度チェックし直し、寝た子を起こしてみよう。