「日産ゴーン事件」と「外務省・鈴木宗男事件」は酷似している

佐藤優が斬る「特捜部の思惑」
佐藤 優 プロフィール

この先、検察が考えていること

佐藤:ところでみなさん、不思議だと思いませんか。今回、全体で(不記載の総額が)91億円でしょ。要するに、検察側の主張からすると、「91億円が払われるということが決まっていたけれど、書いていなかった」というストーリーです。だから、有罪になったら日産は91億円を払わないといけないことになりますよね。

邦丸:ゴーンさんに?

佐藤:検察によれば、そういう約束になっている、ということになるから。だからゴーンさんが無罪なら、日産は91億円を払わなくていい。こんな変な構図になっている。

邦丸 確かに。

 

佐藤:ゴーンさんは、有罪になったら91億円入ってくる。無罪になったら日産は払わなくて済む。常識から考えると、おかしい話です。そうとう無理のある構成になっている。だから検察としては、これは入り口で、ここで捕まえておけば、その先に何かデカい事件にたどり着けるんじゃないか、と。

私の場合は、テルアビブに袴田茂樹・青山学院大学名誉教授や田中明彦・東京大学教授たちを連れて行った、そのおカネをロシア支援委員会から出したのが背任とされた。私が経済的利益を受けたのではなくて、袴田さんや田中さんが受けたと認定されたわけです。それでも第三者利益で背任になる。

こんなもので適用したのはなぜかというと、そこから鈴木さんの贈収賄を取りたかったから。私を捕まえれば、私が「北方領土に関して、鈴木さんに総合商社からカネが流れている」と言うだろう、と見ていたわけ。しかし、その事実はなかった。だから検察は困っちゃった。

それと今回は、よく構成が似ているんです。だから他人事とは思えないんですね。