# マネジメント

ビル・ゲイツが認めた伝説プロがプレゼンで大切にするただ1つのこと

「あたりまえ」を疑え!

プレゼンは聞き手への「プレゼント」

オーディエンスが思い描くハッピーな未来の姿を言語化し、共有すること。それがプレゼンであり、広い意味でのコミュニケーションです。大切なのは、自分ばかりを見てはいけないということ。そもそも、ビジョンとは他者なしには存在しません。

 

そこで、今日からこのように考えてみましょう。

プレゼンは聞き手への「プレゼント」である

みなさんは、なんのために大切な人へプレゼントをしますか?

それはきっと、相手をよろこばせるため。そして、相手が本当によろこぶものを贈ろうと考えるはず。

であれば、仕事上のプレゼンでも同じ考え方をすべきではないでしょうか?

ときどき「自分がほしいものを贈るんだ」なんて言う人もいます。でも、それは相手と強固な信頼関係があってこそ通用することです。少なくともプレゼンにおいて、いきなり「自分がほしいもの」を贈ったところで、相手がよろこぶ確率は限りなく低くなります。

相手をよろこばせるためには、相手について最低限知っておかなければならない情報があります。ウェブサイトやニュースなどの情報ソースにアクセスすることは当然行うべき。加えて僕の場合は、プレゼンやセミナーなどのセッションを通じて商談を成功へとつなげることが仕事なので、顧客の担当者から徹底的にヒアリングします。

「顧客はどんなマインドセットなのか?」
「いまなにに困っている?」
「話しているときによく出てくるフレーズは?」

このように細かくリサーチをかけていくのです。そうしてしっかり準備したうえで本番に臨みます。

さらに、本番でも一方的に話すのではなく、積極的に質問を投げかけながら距離感をつかんでいくようにします。すると、その場での質問でお互いの関係性を深めながらプレゼンすることができ、相手のマインドがこちらのメッセージを受け入れやすくなっていきます。

場合によっては、リサーチとちがうことを言われるときもあります。それはそれで「ラッキー」。なぜなら、ズレたまま進まずに済んだからです。軌道修正しつつ、「相手はどんなプレゼントがほしいのか」にフォーカスし、徹底していくことが大切です。

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「当て馬」からでもプレゼン大逆転は可能

現実には、そもそもこちらの話にまったく興味がない相手に対してプレゼンを行わなければならない時もあります。たとえば、「他社製品に決めたけど相見積りが必要で……」といった場合などがそうです。いわば、「当て馬」としてプレゼンをしなければならない状況。

でも、そんな時こそ「チャンス」と思うべき。最初からアウェーなので、失うものはなにもない。むしろ、大逆転でこちらを向かせたら大きな成果が見込めます。

そこで、まず相手のことを徹底的に知ることからはじめます。そのうえで「相手はこうなったらハッピーになるはず」と仮説を立ててみましょう。

相手の心が読めないからこそ、心に揺らぎを与えるためには、相手がハッピーになることにフォーカスするしかありません。

一方で、ライバルになる本命の他社は長年のつきあいで油断しているはず。現状維持のための現実的な話ばかりしているかもしれない。まさに、いまの関係性だけを深めようとしているわけです。

その間隙を縫って、

「僕たちとおつきあいするとこんなふうにハッピーになれますよ」

そう真剣に伝えることで、相手に「あれっ?」と思わせればいい。相手の信頼を得るには、本気で相手と対峙するという原則に立ち戻って、相手との距離を詰める必要があります。相手のハッピーを本気で考えていることが伝われば、最初の信頼関係を築くことができます。こちらが本気で考えていることが伝わるからこそ、相手が信頼してくれるのです。

相手が信頼してくれると、たくさんのヒントをもらえるようになります。そこには本人たちも言語化できていない、まだかたちになっていない心情もあるでしょう。そんな心の動きを読み解いて、言語化できるように手伝っていくことが、「他者の期待」を理解していくことなのです。

常に相手のことを考える──

みなさんは大切な人にプレゼントする時、いつだって相手のことを真剣に考えているはずです。それを今日、今この瞬間からプレゼンでも行いましょう。

これはプレゼンのみならず、良質なコミュニケーションすべてに通じる「本質」なのです。