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小澤征悦「どれだけ人間臭く演じられるかを常に考えている」

SWITCHING TIME #01

提供:JT

さまざまな業界の第一線で活躍する仕事人たちの「SWITCHING TIME」。目の前の仕事と全力で向き合うために、大切にしている時間の過ごし方を教えてもらいます。第1回は、新春ドラマスペシャル『釣りバカ日誌』、1月スタートの連続ドラマ『ハケン占い師アタル』をはじめ、“ひと癖ある俳優”として映画、ドラマ、舞台で八面六臂の活躍を見せる小澤征悦さんの登場です。

正解かどうかなんてわからない

規則正しい会社務めではないから、オンとオフの切り替えを特別意識することはありませんね。ドラマでも映画でも、撮影にひと区切りついて、何日か自由になる時間ができたら、写真で遊ぶか、絵を描くか。

写真は学生の頃からで、以前はモノクロフィルムで人物を撮るのが好きでした。暗室にこもり、現像液に白い印画紙をつけると、すーっと人の笑顔が浮かび上がる瞬間が、ゾクッとするほど感動的で。

絵は人物画や風景画、静物画など対象があるものではなく、自分の心象を描く抽象画です。写真はモノクロですが、こっちは色をたくさん使ってカラフルに。浮かぶイメージには色がついていることが多いから、必然的にそうなっています。

共通しているのは、どっちにも正解はない、ということ。写真は一瞬を切り取るもので、ぼくの切り取り方は、あくまでもぼくの切り取り方であって、普遍的なものではありません。

絵の場合、イメージを頼りに色を入れていきますが、一筆入れるたびに「こうじゃないかも」と。失敗して、直して、失敗して、直して。ずっと自問しながら、それを繰り返していきます。すると、「あ、」と筆が止まる瞬間がくる。もう色は入れられないと感じたら、そこで完成。

でもこれも、あくまでもぼくの感覚であって、正解かどうかなんて自分にもよくわからない。そこに至るまでのプロセスが楽しいんだと思います。

俳優としての役作りにも、共通する部分があるかもしれません。同じ役でも、演じる役者が変われば表現は少しずつ変わり、正解は一つではない。

小澤征悦(おざわ・ゆきよし) 1974年、米国カリフォリニア州生まれ。父は世界的指揮者の小澤征爾、母は女優の入江美樹、姉はエッセイストの小澤征良、従兄はミュージシャンの小沢健二という芸能家系。98年、NHK大河「徳川慶喜」(沖田総司役)でデビューする。以降、味のある演技力が高く評価され、ドラマ、映画、舞台で存在感を示し続けている

ぼくがいちばん考えているのは、ドラマでも映画でも舞台でも、どれだけ人間臭く演じられるか。役柄は台本で決められていますが、そこに書かれているセリフを再現するだけではフラットになってしまう。人間臭さが感じられないんです。

役作りの過程で意識しているのは「その人の癖を見つける」こと。話す時のちょっとした癖、動作の癖。人間、自分では気づいていなくても、いろんな癖がありますから、癖を見つける、場合によっては「つくる」ことを意識します。

その役柄は当然、ぼくとは別人なので、やろうとすると制約が生まれる。動きにくさを感じたりもしますが、制約、足かせを設けることで生まれてくるものもあります。

小さなことでいい。でも基点が一つ見つかると、役を肉付けしていくとっかかりにもなり、芝居がやりやすくなります。「こういう場面なら、この人はこう反応する」「このセリフは、この人ならこんな話し方になる」。

ぼくは不器用だから、癖という基点があったほうが、役に自然に入っていけるのかもしれません。