"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。
1863年の今日(1月10日)、イギリスのロンドンに世界初の地下鉄が開業しました。開業当初の営業区間は、パディントン駅とファリンドン・ストリート駅(現在のファリンドン駅)間の約6キロメートルだったそうです。
世界初の地下鉄は、蒸気機関車が客車を牽引する列車で、現在の電車方式とはイメージがだいぶ違います。機関車の燃料には、すすの少ないコークスが用いられ、トンネルの各所に煙出しの穴が設けられましたが、駅や乗客はすすだらけになってしまい、あまり評判は良くなかったようです。また、地方からロンドン市内への貨物列車も乗り入れていました。
路線は本線鉄道のターミナル駅である、パディントン駅やユーストン駅、キングス・クロス駅をシティと結ぶもので、メトロポリタン鉄道が運行していました。メトロポリタン鉄道の略称「メトロ」は地下鉄を意味する用語として定着しています。
1890年には、ロンドンの地下鉄が「チューブ」の愛称で呼ばれるきっかけとなった、円形断面のトンネルが登場し、煙や蒸気を出さない電気機関車、電車が走り始めました。
1933年には、運営がロンドン旅客運輸公社に移り、現在はロンドン交通局の傘下で運行されています。
日本の地下鉄は、1927年、東京の上野~浅草間2.2キロメートルの区間が最初で、こちらは、開業時から現在でもおなじみの電車式のものでした。