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平成最後のお正月…おせちから見えてくる「日本人の変化」

平成食トレンドを振り返る

実はおせち料理にも流行がある

平成最後の正月。皆さんはどのように過ごされただろうか。

正月と言えばおせち。

よく高級感のある百貨店の商品が新聞などで紹介されているが、最近目立つのは、キャラクターおせちである。

今年は高島屋が手塚治虫生誕90周年を記念し、「鉄腕アトム」などのキャラクターをデザインしたおせちを出した。

また、紀文食品には、1999(平成11)年発売のハローキティや、2009(平成21)年発売のディズニーのおせちがあって、特にディズニーのおせちはリピート率が高い傾向があるという。

ディズニーお重(写真提供:紀文食品)

変わらないように見えるおせちにも流行があり、歴史がある。平成のおせちを振り返る前に、まずおせちの歴史をひも解いてみよう。

正月料理を重箱に詰める風習が始まったのは江戸時代からで、庶民にまで広がったのは明治以降と、意外に歴史は浅い。

食文化史研究者の江原絢子氏によると、重箱詰めおせちの定番化は、明治後期以降に婦人雑誌や料理雑誌が次々と創刊されて、新年号に重箱料理が紹介されるようになったことが大きい。

 

百貨店でのおせち販売も行われていたようで、私は昭和元年に東京で生まれた女性から、「毎年松屋銀座のおせちが楽しみだった」と聞いたことがある。

農文協の『日本食生活全集』シリーズによれば、昭和初期には地方独自のおせちもあったようだ。千葉県南部では、身近に採れるゆり根のきんとんがあり、奈良県でもゆり根を煮しめに加えていた。

1957(昭和32)年にNHKで始まった『きょうの料理』が、正月のおせちを毎年特集を組んで紹介するようになったのは、1967(昭和42)年からである。

それが大好評でテキストが30万部も売れた(『テレビ料理人列伝』河村明子、NHK出版)ことから、毎年特集を組むようになる。