あなたにとっての、2018年ベスト・オブ・現代新書は何ですか?

女子東大院生が現代新書編集部を直撃③
現代新書編集部 プロフィール

ハジメ:一緒に京都に通ったのも良い想い出ですねぇ。

僕の1冊は、黒川祥子さんの『県立! 再チャレンジ高校』。「これは来るぞ!」と思った本でした。

関東地方に実在する、周囲から「底辺校」って呼ばれている学校の話なんだけど、そこに通っている、いろいろ問題を抱えた生徒さんを、先生たちが身体をはって守り、生徒たちの人生を変えていく……という感動のノンフィクションです。

それでね、この本の読ませどころは……

(店員が、事前に選べるサワラとウズラの焼き物を運んでくる)

店員:ウズラを選んだお客様〜、はい、こちらです。えっと、お客様はサワラですよね。

ヨネ:いや、僕はウズラです!

ハジメ:ウズラとかいいから! ウズラより、今すごく、いい話をしているんだから!

チカ:大事なお話のところで、ウズラとサワラの仕分けが始まってしまいましたネ。

ハジメ:この本は、最初は学校名も教師の名前もぜんぶ実名で出版するつもりだったの。だけど、結局、先生の守秘義務やら、生徒だった方々のプライバシーの問題があって、匿名にせざるをえなかったんだよ。

もしも、実名で出していたら、自分的には歴史的なノンフィクションになると思っていたんだ。テレビドラマ化するにはもってこいの素材なんだけど……。

いまも話題になりそうなノンフィクションを仕込んでるから、来年はそれで勝負したる!

ヨネ:(ウズラを食べながら)いよっ、「ハジメ・ダンディズム」!

ハジメ:おまえ、バカにしてるだろう!

一同:(笑)

衝撃的だった『「自衛隊」の闇組織』

ナナ:ではここで、大御所の二人、リュウさんとヒロシさんに聞く前に。今年、チカさんが作るのに印象深かった本はありますか?

チカ:(グラスに並々と注がれた日本酒をひと口すすって)うーん。たくさんあったので、あまり覚えていないんですけど……ハジメさんが担当した『未来の中国年表』でしょうカ。

ハジメ:えっ!何が大変でした?

チカ:中国語がたくさん使われていたので、そのルビを、どう振ればいいかということでス。

ハジメ:なるほど……中国語のルビねぇ。お手数をおかけしました。ちなみに、あのルビにも、中国語ネイティヴの方の校閲がしっかり入ってるんです。若干手前味噌ながら、講談社校閲部はスゴイ!

ナナ:メイさんにも、今年の印象深い1冊を聞きたいです! たとえば、電話の問い合わせが一番多かった本とか?

メイ:問い合わせが多かったのは、石井暁さんの『「自衛隊」の闇組織』です。「本当なんですか?」「衝撃的だった!」という声が多数寄せられました。

ハジメ:あの本は、担当のマルがメインのタイトルを「闇組織」に変えたんだけど、それがとても良かったね。

マル:最初はハジメさんのタイトル案『自衛隊「別班」』だったのですが、あとになって「闇組織」という言葉のほうが読者に響くんじゃないかと主張したんです。

ナナ:タイトルの話はまた後で、皆さんに伺いたいです! リュウさんはどうでしょう?

リュウ:僕はすみません、特に下半期は〝別班〟で集中的に活動していたので……。

一同:(笑)

ヨネ:組合活動は、僕たちの権利を守る立派な活動です。

リュウ:それはさておき、前半は3冊作りましたが、重版だけでいうと3打数3安打でした。全部シングルヒットですけど。その中から選ぶとすると、Jリーグの名古屋グランパス監督の風間八宏さんの『伝わる技術』です。

2018年は、ビジネス書を新書・ノンフィクション仕立てにするにはどうすればいいか、ということを常に悩んで考えていたのですが、僕はどちらかというと、無理にビジネス書にするよりも、その著者の面白いことや、サッカーのことについて普通に書いたほうが、ビジネス書としても売れるかな、という思いがあります。

2019年は〝別班〟から戻ってくるので、がんばります。

2018年の「オビ大賞」

ナナ:最後にヒロシさんはいかがですか?

ヒロシ:水を差すようで悪いけド、もう忘れたナ。何つくったかナ?

ハジメ:またまたぁ〜。なんといってもあれでしょう! 橋本健二さんの『新・日本の階級社会』。あの本は、「格差」という従来の社会問題に、「階級」という新しい要素を入れたのが決め手でしたよね。

リュウ:あのオビはすごいと思いました。三角形のほんの先っちょだけが明るいという。

店員:「日高見純米超辛口」のお客様~。

ヨネ:あ、僕ですっ! そうそう、今年の1冊が一巡したところで、2018年のオビ大賞はなんでしょう? 

ナナ:あ、それ、いいですね! みなさん、一押しのオビ。

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