医学部にいまだに残る差別に勝つための「受験校の選び方」

むしろ今年はチャンスと思った方がいい
原田 広幸 プロフィール

この戦略で合格しやすい大学は

不正事件を受けて、不適切な入試の事実を公表した大学は、さすがに露骨なことはやりにくいから、今年の受験にはお勧めかもしれない。

しかしそれらの大学は、来年の受験に限っては、今年の不正入試の被害者を救済合格させるため、一般の入学者数を減らすことになる。したがって、公明正大な入試が行われても、難易度はかなり高くなるだろう。

では、どの学校を選べば良いのか。

ここ数年の入試の結果から、そして、私自身の受験指導の経験から、概して男女比が不自然でなく、女子受験生、再受験生、多浪生が実際に合格している大学をあげてみよう。

たとえば、杏林大学や獨協医科大学、金沢医科大学(一般入試)、国公立だと弘前大学や島根大学などは、女性、浪人生にも優しい医学部として挙げることができる。実際の教え子たちの実績から判断した完全に主観的なコメントだが、苦労した先輩たちの実際の合格の結果から見えてきた判断だ。

現役生や1浪目の若くて優秀な受験生は、あえて、「不自然な男女比」の大学にも挑戦して欲しいという個人的な思いもある。正直、やってみないとわからないが、不正が明るみになったばかりの今年の受験では、男女比が是正される可能性もあるからだ。

そして、男系社会の差別的な大学と、多様性を尊重するリベラルな大学がはっきりと見えてくれば、その後の受験生にとってもハッピーである。

最後に、昨年度のデータから、「数学の問題が標準以下」で、「英語か理科(生物・化学)の問題が難しい」大学を挙げておく。

あくまで、単一のデータベース(メディカルラボ『2019年度用 全国医学部最新受験情報』時事通信社刊)からの孫引きなので、実際に出願する際には、ほかの予備校等の出版しているデータにも目を通したうえで、過去問題(赤本)に実際にあたって判断してほしい。

それでも、女子受験生や年齢差別が心配な受験生は、ぜひ、再受験生などを受け入れてくれる専門予備校にアドバイスを求めてほしい。私の予備校はクローズしてしまったので、対応できないが、現在は他にも多くの予備校が門戸を開いているので、訪ねてみるとよいだろう。

◆数学の問題難度が標準以下で、英語か理科(生物・化学)が難しめの医学部(私立大学)
・東北医科薬科大学
・自治医科大学
・獨協医科大学
・杏林大学
・帝京大学
・東京女子大学
・東邦大学
・北里大学
・聖マリアンナ医科大学
・金沢医科大学
・大阪医科大学
・関西医科大学
・近畿大学
・兵庫医科大学
・産業医科大学

*上記でも、いくつかの大学は、不正入試の指摘を受けている。最新の情報をもとに判断をしていただくようお願いしたい。