医学部にいまだに残る差別に勝つための「受験校の選び方」

むしろ今年はチャンスと思った方がいい
原田 広幸 プロフィール

数学が苦手でも合格できる

医学部の関係者も、内心、ヒヤヒヤしているはずだ。だが、一番深刻なのは、本気で医師を目指している受験生だ。これからいったい何を頼りに、勉強を進めればよいのか。

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しかし、安心してほしい。仮に、数学難問化のような手段が取られたとしても、医学部受験突破(学科試験)のコツは今までと何も変わらない。

以下、簡単にではあるが、受験生とその親・関係者へのアドバイスを書いておこう。

まず押さえておきたいのは、どんな受験も、「総合点」を上げることを目標にすべきという大原則だ。医学部の入試においては、「英語、数学、理科2科目」の4科目で受験することがほとんどだが、その配点バランスを見て、残りの受験勉強の配分を考えてほしい。総合点で、最低合格ラインを超えることを目標にするのである。

医学部の場合、英語200点、数学200点、理科1科目目100点、理科2科目目100点、合計600点、といった割合での配分になるところが多い。英:数:理:理=2:2:1:1だ。これらのうち、英語か数学で合格者の平均以上、理科の2科目中の1科目で平均点以上が取れれば、総合点で合格点に達する可能性は高い。

つまり、理系脳男子ほど数学が得意ではない女子でも、「英語と生物」、あるいは、「英語と化学」で上位を目指せば、合格は可能なのである。

2019年度以降の入試では、露骨な男女差別はできなくなる。「女子の嫌厭する数学や物理を難化」させることで、男女比の不自然さを誤魔化そうとする大学が出てくるかもしれない。

だから、文系頭の受験生、数学な苦手な女子受験生の「受験校選び」のコツは、戦略的に英語や理科(とくに生物)の問題の難しい大学を選び、そこで高得点が取れるようにひたすらトレーニングを積むことを心がけよう。

数学という科目には、天才的な能力を発揮する子がいる。「数学の天才」は、いるのである。とくに超一流の男子高校の出身者に、そういうタイプが多い。一方、「語学の天才」は、いない。英語は、伸び方のスピードの違いはあっても、努力と比例して成績が伸びる科目である。

受験レベルの理科も同様である。とくに医学部受験における「生物」は、高校の履修範囲を超える領域からの出題も多く、覚えておくべき内容も膨大であるため、基礎学力が高い理系脳だけでは太刀打ちができない。

コツコツと長い時間机に向かって努力した受験生、すなわち、真面目な女子受験生や多浪生に有利な科目である。しかも、これらの科目は、受験日の当日まで、やればやっただけ、実力が伸び続ける。

数学の問題の難易度が標準以下で、英語や理科の問題の難易度が高い大学を選び、集中的に対策を行なうことで、数学の天才や地頭(じあたま)が良い超一流進学校の男子と張り合うことが可能になる。決して最後まであきらめないことが重要だ。