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# 日本郵政 # 破たん

日本郵政の「低迷」は本当に民営化のせいか?歴史を紐解くと…

謎解くカギは民主党時代に?

改めて整理しよう

日本郵政グループの日本郵便は、はがきや手紙の土曜配達を休止して、配達にかかる所要日数についても緩和するよう、総務省に要望している。

とはいえ、突然土曜日を休止したところで、劇的なコストカットは望めず、一方でサービスの低下が進むのは明らかだ。

本業で苦戦が続く日本郵政は、東京や名古屋などのビル開発を進め、不動産事業で糊口をしのいでいる感がある。流通需要は右肩上がりの現代、日本郵政に活路はないのか。

 

日本郵政の低迷を、民営化のせいだと批判する向きがある。たしかに小泉政権で民営化は果たされたが、民主党で実質的な「再国有化」が進んだという事実を認識しなければならない。

改めて整理しよう。

郵政には郵便、郵貯・簡保の3事業がある。小泉政権における「民営化」では、郵便については「株式会社化」(ただし一定の株式を政府が持つ)、郵貯・簡保では「民営化」(一切の株式を政府が持たない)が行われた。

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しかし、政権交代で民主党政権になると、郵貯・簡保事業についても、政府が一定の株式を持つようになる。「再国有化」のはじまりだ。

民間会社のオーナーであれば、大株主の意向に会社の経営者は逆らえないため、だれが株主になるかは大問題だ。

日産のカルロス・ゴーン氏をめぐる事件でも、ルノーの大株主がフランス政府であり、政府の意向で事件の動向が左右されているのがわかるだろう。

実際、「民営化」以前の郵政はどうだったのか。

'00年代以降、郵便事業は電子メールに完全に押され、日本に限らず先進国の郵便事業はジリ貧だ。稼いでいると思われている郵貯・簡保も実際はそこまで芳しくなく、このままでは十数年ともたない可能性があった。

というのも、これらの金融事業の調達コストは国債金利並みで、運用利回りも国の事業である以上安全第一の設定となっている。当然、これでは長期的な利ざやが稼げない。

このため、郵政全体では、人件費も物件費も捻出できない。おおむね年間1兆円もの赤字を垂れ流し続けていて、このままでは3事業ともに破綻の危機にあると、当時国会でも説明された。