<東京リボーン>NHKが撮った「2020・ネオ東京」驚きの光景

未来の日本を創造する
佐野 広記 プロフィール

超開発が進むベイエリアのいま

「いつの間にこんな未来都市になっていたんだろう・・・」

度肝を抜かれたのが、東京湾沿いの「東京ベイエリア」だ。ベイエリアは東京の中でも、最も開発のスピードが加速しているホットスポット。巨大建造物やタワーマンションが次々と建設されていく。昨日見た風景が、今日になったらもう変わっている。その熾烈な開発ぶりから、不動産業界では「東京湾岸戦争」の異名を持つエリアだ。

ベイエリアのいち風景

ベイエリアを訪れることがあれば、走っている車のドライバーの手元を見て欲しい。運転席に座っているのにハンドルを握っていない人を見つけてギョッとするだろう。AIを搭載した自動運転車が、実験的に公道を走っている。

路線バスに乗ると、車内が異様に静かだ。水素エネルギーで走る都営バスが今年からベイエリアで運行しているのだ。

「水素バス」は環境に優しいだけでなく、エンジンがないため小刻みな揺れもなく、車酔いもしにくい。実験的な最先端技術が続々と投入され、この街は未来都市のショールームと化している。

ベイエリアは元々、海底の土砂や、東京中のゴミが集められて作られた埋め立て地。長らく開発の表舞台から外れてきた。都心のすぐそばという好立地にもかかわらず、広大な白紙が残る土地だった。

 

その地歴は、東京がたどってきた時代の変遷の映し鏡のようだ。終戦後はその多くがGHQの占領下に置かれたベイエリア。その後、工場が建ち並ぶようになり、日本の高度経済成長を支えてきた。だが製造業の衰退と共に工場は解体され、再び更地ばかりの土地へと戻ってしまう。

バブル期になると、倉庫街に「ジュリアナ東京」や「エムザ有明」といったディスコが作られ、ウォーターフロントブームを牽引。若者が熱狂する場所となるが、バブル終焉とともにディスコは次々と閉店となり、人々は去って行った。

2000年代に入ると、今度は建築基準法の規制緩和の影響を受け、タワーマンションが林立。ファミリー層が移り住む土地となってきた。そして今、2020年の東京五輪でメインゾーンに選ばれたのを機に、世界に新しい東京を示す「顔」の役割を果たすべく、再び開発の波が押し寄せているのだ。