岐阜・山梨の米軍基地は、なぜ撤退して沖縄に集められたのか

やはり「沖縄」だけの問題ではない
安田 浩一 プロフィール

沖縄地元紙で基地担当を長らく務めた記者が、私にこう迫ったことがある。

国防が大事だと考えるのであれば、応分の負担というものも同時に検討したっていいはずです。『沖縄は基地反対しか言わない』と揶揄する声を聴く機会も少なくないのですが、では、基地の県外移設に反対しているのは誰なのか。本土の側が基地受け入れに反対しているのですよ

 

「本土」の人々が捨て去ったもの

今年2月、安倍晋三首相は衆院予算委で、沖縄県外への基地移転が進まない理由を「移設先となる本土の理解が得られない」と答弁した。

また元防衛相の石破茂衆院議員も、今年おこなわれた自民党総裁選のさなか、自らのサイトで「沖縄県のみなさまへ」として題して次のように述べた。

「反米基地運動が燃え盛ることを恐れた日本と米国が、当時まだ米国の施政下にあった沖縄に多くの海兵隊部隊を移したからだ」

「本土から沖縄に基地が集約する形で今日の姿ができあがった。このことを決して忘れてはならない」

つまり、沖縄に米軍基地が固定化されているのは政治的な理由なのだと、安倍首相も石破議員も同じように主張しているのである。

玉城デニー沖縄県知事は、11月に開催された全国知事会に出席し、次のように話した。

「沖縄に基地が集中する状況は異常と言わざるを得ない。日米安保体制が重要ならば、その負担も国民全体で担うべきではないのか」

県知事選で沖縄県民は「辺野古新基地建設」に反対する民意を示した。にもかかわらず、国はいままさに基地建設を強行している。

日本のなかで0・6%の面積しか持たない沖縄県に、全国の米軍専用施設の約7割が集中している。

この不公正、不均衡、不平等な状況こそ、まずは解決するのが政府の役割ではないのか。

沖縄戦で、沖縄は本土決戦に向けた「捨て石」とされた。

そして戦後も「本土」の人々が忌避する米軍基地の「捨て場所」にされた。

国を守れと叫ぶ者こそ、応分負担の議論に加わるべきだろう。

これは「沖縄問題」ではなく、日本社会全体に関わる問題なのだ。「本土」に住む人間の多くが、基地の負担を強いられず、また、考えなくてもすむといった状況は絶対におかしいではないか。

沖縄に米軍基地を追いやり、結果的に押し付けているのは「本土」の側なのだから。

戦後右翼の変遷をたどる