# 現物投資

「価値ある宝石」「価値のない宝石」の見分け方、ご存知ですか?

日本人が知らない、その条件
田中 徹郎 プロフィール

「透けないヒスイ」に価値はない

最後に、少しだけヒスイもみておきましょう。ヒスイといえば中国のイメージがありますが、実は中国でヒスイは採れません。ヒスイも今までみてきたルビーやサファイア、スピネルと同じで、最高の石はミャンマー産なのです。

ヒスイを評価するポイントは、緑の鮮やかさと透明度です。よく宝飾店などで「琅玕(ロウカン=インペリアル・ジェダイト)」と称するヒスイを目にしますが、そのほとんどは、まるでプラスティックで造られたかのような透明感のない石です。

このようなヒスイは、いくら大きくても、投資対象としての価値はありません。ロウカンと呼ぶに値するヒスイは鮮やかな緑色をした半透明の石で、新聞紙に乗せると透けて文字が見えるほどなのです。

「ロウカン」と呼ばれるヒスイ。半透明で、下地の黒が透けて見えている

ただしヒスイの「含侵処理」には注意が必要です。含侵処理とは、前処理を施したヒスイを透明な樹脂に浸し、内部に合成樹脂を浸透させる手法です。この処理によって石は透明感が増し、良質なヒスイに見えるようになります。しかし、当然ながら含侵処理された石は天然ヒスイとは呼べず、資産価値もありません。

中国をはじめとするアジアでは、このような「含侵処理ヒスイ」(「Bタイプのヒスイ」などと呼ばれています)を、「天然無処理ヒスイ」と称し、数万円程度で販売していることも多いので注意が必要です。

また、ヒスイによく似た石英などをヒスイと称して販売する悪質なケースもよく目にします。このような「ヒスイそっくりさん」や「含侵処理ヒスイ」、「染色処理ヒスイ」をつかまされないためにも、少なくとも鑑別書がついた石の購入をお勧めします。そして何よりも、信頼できる宝石商から買わなければなりません。

 

注意すべき点はいくつかありますが、ヒスイ自体は近年、ますます希少化しています。数年前にはミャンマーのヒスイ鉱山で大きな崩落事故があり、多くの工夫が亡くなりました。

すでにヒスイ鉱脈はあらかた掘りつくされており、今後の採掘はますます危険度を増してゆくことが予想されています。現在の相場はミャンマー産のロウカン1カラット石で100万円ほど、2カラットなら500万円ほどにもなりますが、今後ますます値上がりする可能性が高いでしょう。

(つづく)

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