平成の終わりに神社本庁で吹き荒れる「内紛劇」の内幕

日本会議副会長も務める「総長」の去就
時任 兼作 プロフィール

マスコミも巻き込んで騒動に

こうした一連の動きは、なぜか瞬く間に週刊誌各誌に漏洩する。

週刊ポストは、『神社本庁トップの辞意撤回に天皇の甥が発した痛烈苦言』(11月2日号)と題し、鷹司統理の、

「今日の会議(の田中総長辞任の決定)は覆されたということが私は気持ちが悪いですね」

という発言を掲載した。

また、サンデー毎日(12月9日号)は、「責任のある立場の者が朝令暮改のように前言を翻すことがあってはなない」との鷹司統理の言葉を引いている。

 

そして、週刊文春(12月20日号)は、『神社本庁トップ 天皇の甥が怒った』とし、鷹司統理の苦言を紹介した。

「(辞意撤回の通達文書について)文書を出すに当たって統理の了解を取っていないんですね」

同誌は西日本を代表する有名神社・出雲大社宮司の千家尊祐氏の手紙の内容まで紹介している。

手紙で千家氏は「神社界は統理を中心に歩むべき」とし、鷹司統理に肩入れした。この千家氏の手紙は鷹司統理宛に「親展」として出されたもので、その流出の経緯が取り沙汰された。ちなみに千家氏の長男・国麿氏は、高円宮の次女・典子女王と2014年に結婚している。千家家も、皇室に連なる名門なのである。

千家尊祐氏の長男・国麿氏と典子女王の結婚式は出雲大社で行われた。(Photo by gettyimages)

どちらかが辞めるまで、終わらない

かくして追い込まれた田中総長の去就が注目されるなか、2018年12月19日に神社本庁の定例役員会が開かれた。

田中総長の解任動議が出されるという観測もあったが、関係者によると、役員会は次のような展開をたどったという。

「統理と総長が話をして欲しい」

「トップ会談」での総長解任を目論む「反田中派」の常務理事がそう切り込んだものの、田中総長は、

「統理と話をして方向性を決めるとなると、その決まったことにたいして統理の責任問題も発生する。統理はあくまで権威であり、そのような場に出すことも決めることもできない」

と突っぱねたという。

安倍政権に肩入れする田中総長派と、皇室の威を借りる反田中派の争い。もはやここまでくれば、田中総長と鷹司統理のどちらかが辞めない限り、ことは治まるまい。

日本会議から支援を受ける安倍総理も、その動向に気が気ではないだろう。

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