2018年の一皿は「サバ・サバ缶」! カン動の成功はなぜ起きた?

ギョ! バカ売れ缶詰に学ぶ儲けの極意
黒川 勇人 プロフィール

少ない塩分も魅力

お手元にサバ水煮缶があったら、ぜひ缶に印刷されている栄養成分表を見ていただきたい。食塩相当量という項目を見れば、使われている塩分量が判る。僕の手元にあるSSKセールス「旬 鯖水煮」を見ると、食塩相当量は100グラムあたり0.7グラム(缶汁含む)とある。

 

一日の塩分摂取量の上限は、女性で7.5グラム、男性で8グラムとされている(厚生労働省の指針)。ということは、サバ水煮缶を汁ごと100グラム食べても、一日の摂取量の約10分の1ということになる。

今度はみそ煮缶の栄養成分表を見てみよう。木の屋石巻水産の「彩 金華さば味噌煮」では、100グラムあたりの食塩相当量は0.8グラムとなっている。これも一日の摂取量の約10分の1である。

一般にみそ煮は味が濃いイメージだが、実際に使われている食塩量はかなり少ないのだ。

前述したように、サバ缶なら必須脂肪酸のEPA・DHAが豊富に含まれ、カルシウムも摂れる。加熱殺菌によって腐敗しないから保存料も防腐剤も使われていない。そのうえ塩分も控えめだ。

こうしてみると、缶詰というのは意外にも健康的な食べ物なのであります。

サバ缶の味付けも多彩になった。photo by Hayato Kurokawa

サバ缶の今後

サバ缶の中で今もっとも売れているのは水煮だ。POSデータの内訳などを見ると、水煮が約50%を占めている。それにみそ煮、しょう油煮(味付け)、その他の味付けと続く。

数年前まではこんな比率じゃなかった。「みそ煮が一番売れる」というメーカーだって多かったのだ。

水煮に人気が集中するのは、塩味なので自分好みにアレンジしやすい(ワサビ醤油を垂らすとか)、あるいは料理素材として使いやすいということもある。しかし、それよりもやはりメディアの影響が大きいと思う。

「サバ缶でダイエット」「サバ缶で健康になる」という文脈でいくと、より健康を求めるなら糖分は摂らないほうがいいというのが近年の風潮。みそ煮やしょう油煮には砂糖が含まれているから敬遠されてしまうのだ。実際に、何人もの栄養管理士が「買うなら水煮にしましょう」と言っている。

しかし、ダイエットや健康というキーワードだけで、今のサバ缶人気が続くかどうか大いに怪しい(かつてヨーグルトきのこブームなんてのがありましたね)。

サバ缶が今後、日常食として根付くかどうかは、水煮以外の味付けも売れるかどうかにかかっていると思う。

かくいう僕はどの味付けが好きかというと、やっぱり水煮であります(何だかすみません)。熱々の白ごはんに水煮の切り身を乗せて、わさびしょう油をちょいと掛け、梅干しやミョウガ、大葉などの薬味と一緒に食べる。これが今でも一番ウマいと信じている。サバ本来のちょっと青臭い風味もダイレクトに味わえるし、やはりサバ缶は水煮が最強であります。